モリサワは、ユニバーサルデザインの考えに基づく「UD書体」を2009年秋にリリースすると発表した。また、代表取締役社長に森澤彰彦氏が就任したことも合わせて発表された。
UD書体は、ロナルド・メイス氏らが提唱したユニバーサルデザインの原則に基づいてモリサワが開発を進める書体で「文字のかたちがわかりやすいこと」、「文章が読みやすいこと」、「読みまちがえにくいこと」の3つを基本コンセプトにしたもの。手書きの形に近づけ、エレメントの向きを明確にすることで判読性を向上、ふところを広くとり、ラインのくっつき・はなれを明確にし、濁点や半濁点を大きく、文字の骨格をシンプルにすることで視認性を上げ、また、漢字と仮名の大きさに少しリズムをつけることで可読性を向上させている。
リリース予定のラインナップは、新ゴをベースに開発されたゴシック系UD書体2種(各6書体)、新丸ゴをベースとした丸ゴシック系UD書体(6書体)、明朝体をベースにして開発された明朝系UD書体(3書体)の4種、21書体。公共の案内標識、取扱説明書、携帯電話、地図など、あらゆる場面での活用が想定されている。フォーマットはOpen Type、文字セットはAdobe-Japan 1-4準拠。現段階においては、MORISAWA PASSPORTのみの扱いとなり、既に契約済みのユーザにはアップグレードキットとして無償で提供されることとなっている。
また、森澤嘉昭氏に変わり、森澤彰彦氏が新たに代表取締役社長に就任したことも合わせて発表された。