国内SI事業者の大手6社が参加する「システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会(略称: 非機能要求グレード検討会)」は5月26日、情報システムの発注者である顧客と、受注者であるSIベンダの双方が共通の認識を得ることを目的にしたツール群「非機能要求グレード」をWebサイトにて公開した。同サイトにてパブリックコメントの受付も開始している。

非機能要求グレード検討委員会の参加者は以下の通り。

  • NTTデータ
  • 富士通
  • NEC
  • 日立製作所
  • 三菱電機インフォメーションシステムズ
  • OKI

"非機能要求"とは、顧客がSIベンダにシステムを発注する際の要求仕様のうち、システムの強度や品質にかかわる実現要求のことを指す。逆に業務実現にかかわる要求は"機能要求"という。上記の6社がこの非機能要求項目を「システム基盤の非機能要求に関する項目一覧」として洗い出し2008年9月に公開、そして今回、顧客/SIベンダ間で確認するためのグレード表(ランク別にしたメニュー)として「システム基盤の非機能要求に関する項目一覧」を新たに追加し、「非機能要求グレード」ツール群として公開した。

非機能要求グレードは

  • グレード表
  • 項目一覧
  • 樹系図
  • 利用ガイド

から構成され、重要な項目から順に扱えるようになっているところに特徴がある。要求項目は、「性能」「可用性」「セキュリティ」「移行」「運用」「拡張」の6つに大きく分類されており、さらに254項目に分かれ、すべてがレベル化されている。

「非機能要求グレード」の構成と利用イメージ: まず、利用ガイドに沿って開発したいシステムのイメージに一番近いものを選び、つづいてグレード表に沿って主要な要求項目を調整する。そして項目一覧と樹形図にしたがって詳細な要求項目の要求レベルを絞り込む

非機能要求グレード検討会では6月30日までパブリックコメントを受け付け、フィードバックを受けて非機能要求グレードを改訂、実際のシステム開発に適用した場合の有効性を検証し、2009年度下期に正式公開を目指す。