マイクロソフトは5月21日、Windows Server 2008 R2(以下2008 R2)に関するプレスラウンドテーブルを開催し、米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデントで、Windows Server&ソリューションズ部門担当のビル・レイン氏は、2008 R2を今年の末までに、Windows 7と同時にリリースする予定であることを明らかにした。

米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント Windows Server&ソリューションズ部門担当ビル・レイン氏

ビル・レイン氏がたびたび口にしたのは、2008 R2が64ビット版のみの提供であること。同氏は、正確な数字を持っていないということだが、パッチをリリースした時の測定によれば、Windows Server 2008おいては65%が64ビット版だという。これでいくと35%のユーザーが32ビット版を利用していることになるが、同氏は32ビット版を提供しないことによるマーケティング上の影響はないとした。

同氏は理由として、昨年出荷されたサーバの99%が64ビット版の対応であり、アプリケーションの多くが対応済みであること。また、4GB以上のメモリを利用できるメリットを享受できる点を挙げた。

ビル・レイン氏は、2008 R2の機能強化ポイントを仮想化、管理、Webプラットフォーム、コアプラットフォームの4分野にカテゴリ分けし、対応する新機能として以下を挙げた。

Windows Server 2008 R2の新機能

仮想化 管理 Webプラットフォーム コアプラットフォーム
・Hyper-V 2.0
・Live Migration
・リモートデスクトップサービス(VDI)
・電源管理
・PowerShell 2.0
・Best Practices Analyzer
・IIS 7.5
・統合されたIIS Extentions
・Server CoreでのASP.NETのサポート
・256コアのサポート
・コンポーネント化の強化
・SANまたはVHDからのブートサポート
・Support For Solid-state Devices
・DirectAccess
・BranchCache
・グループポリシーの強化
・RemoteAppとデスクトップ接続

これらの機能は、現在の経済不況下においてITに期待される「コスト削減」「生産性の向上」「アプリ開発の時間短縮」「信頼性の高いプラットフォームを求める需要」という4つの声に応える目的で開発されたという。

特に仮想化については、同氏はここ数年のトレンドになっており、2008 R2の新機能では稼働中の仮想マシンを他の物理サーバに移動できるLive Migration機能がもっとも重要とした。また、仮想化の導入率はワールドワイドで約12%で、日本はこれよりも低いが、同氏は将来的には、世界と同レベルになるだろうという見解を示した。

Windows Serverのロードマップ

2008 R2では、先月日本で発表されたFoundationもリリースされる予定だが、日本で発売するかは現在のところ未定だという。Foundationについてビル・レイン氏は、当初7か国のみで提供する予定たったが、最終的に40か国で展開することを明らかにし、同氏はこの製品がWindows Serverのシェア拡大に寄与する製品になると、期待を寄せた。