「PUBLIC/IMAGE.METHOD」

5月17日、ベルサール六本木にて、オンラインメディアのPublic Image主催、アドビ協賛によるクリエイター向けイベント「PUBLIC/IMAGE.METHOD」が東京・六本木のベルサール六本木にて開催された。Web、映像、音楽、ファッション、写真など、ジャンルを超えたクリエイター同士の対談形式による5つのセッションは、いずれもが刺激に満ちあふれた内容であった。その模様をレポートしてみたい。

「PUBLIC/IMAGE.METHOD」は、教育を意味するEducationとエンタテインメントを融合させた“EDUTAINMENT(エデュテイメント)”をキーワードにして行われたクリエティブ・カンファレンス。スピーカーには、各ジャンルを代表するクリエイターが迎えられ、“Discover METHOD(方法の発見)“、コラボレーションが生み出す新たな表現をテーマにした、5組による対談方式のセッションが行われた。


チームラボ×タナカカツキ -SKETCH PISTONの可能性

冒頭を飾ったのは、チームラボ代表の猪子寿之氏とタナカカツキ氏によるセッション、「GAME×ILLUSTRATION」。チームラボ制作による、ゲームコンテンツとインタフェースを融合させたSKETCH PISTONと、キャラクター性やストーリー性など、世界観をさらに進化させたタナカ氏とのコラボレーション作品、SKETCH PISTON 2のデモンストレーションを背景に、猪子氏とタナカ氏の掛け合いが続いた。

チームラボ代表の猪子寿之氏(左)とタナカカツキ氏(右)

コラボレーション作品、SKETCH PISTON 2のデモをしながら対談

Webサイトであり、インタフェースでもあり、ゲームコンテンツでもあるSKETCH PISTONの可能性について、猪子氏と田中氏は、何もない状態からはじまることによって、ゼロから目的を作り、世界観を築き上げることができると特徴を上げたうえで、絵やストーリーを描写するテクニックやノウハウを知らなくても、誰もが頭の中のイメージだけで、直感的に作品に仕上げることができることを語った。また、同じ方法で、マンガが作れるのではないかという提案もあり、SKETCH PISTONがまだ発展中である表現形態ゆえに、Webが世に出始めた頃と同じように「誰でもができて、まだ名称のない状態」だからこその面白さがあることを伝えた。


FUGAHUM×田島一成 -カタログ撮影の裏側

エンライトメントの三嶋章義氏とファッションデザイナーの山本亜須香氏によるファッションブランド「FUGAHUM」と、フォトグラファーの田島一成氏によるセッション「FASHION×PHOTOGRAPHY」は、FUGAHUMの2009-2010年秋冬のカタログ制作のプロセスを辿る内容で構成。撮影時のビデオをバックに、「WIRELESS MIND」という今シーズンのコンセプトから、撮影時のこぼれ話しまで、デザイナーとフォトグラファーが、それぞれの立場でどのようなアプローチをしたかについての話題が上がった。

FUGAHUMの三嶋氏と山本氏(左)と田島氏(右)

FUGAHUMのカタログ制作の映像を流しながら、対談は行われた

「東京的・構築的・立体的」とFUGAHUMを評する田島氏が、撮影時に考えていたのが、「バランスを取る」ということ。「前衛的なFUGAHUMの世界観を、アヴァンギャルドな見せ方で撮影するのではなく、トータルのバランスを考慮することによって、ファッションとして成立させたかった」と語った。また、田島氏の志向性が普遍性を基本にしていることに対して、FUGAHUMのそれは前衛性であることから、互いをザ・ビートルズとセックス・ピストルズというバンドの志向性に置き換えることで理解が深まった話しなど、多彩な内容の1時間であった。