思えば、会計ソフトが、急速に普及し始めたのは、消費税が5%になった頃からである。消費税3%の時代のパソコンは、MS-DOSが主流であったため、パソコン自体ほとんど普及していなかったのだ。消費税の税率の変更をきっかけに、操作性のよいWindowsへの移行が加速すると同時に新規の導入が増えたのである。それ以来10年以上が経過しているが、会計ソフトが完全に普及したとは言えないようだ。

会計という業務は、ほとんどの場合、自社だけで完結し、最終的に紙の帳簿と試算表があればいい。他者とのデータのやりとりがないので、WordのファイルやExcelのファイルじゃなければ困るという類の理由での導入は、あまり考えられない。

今まで手書き帳簿だった人は、そろそろ会計ソフト導入しなければ、と思っているうちに、ついつい先延ばしにしてしまってはいないだろうか。また、脱サラなどで起業した人は、会計自体、何をどうしたらいいのかピンとこないだろう。そこで、両者の悩みを簡単に解決してくれるソリマチの会計ソフト「会計王10」を紹介しよう。

科目残高の転記が不要に、いつでも見られる試算表

結論から言うと、「会計王10」を導入する最大の利点は、試算表や決算書の作成の際の転記作業が不要になることである。実は、手書きの帳簿による会計の作業で、最も煩雑で負担が大きいのは、入力ではなく元帳への転記なのである。この作業は、特に素人には至難の業であり、素人が会計をやりたくない理由にもなり得るだろう。

帳簿は、取引の発生順に記帳するのが原則である。したがって、手書き帳簿の場合、取引は、振替伝票を作成するか、または仕訳日記帳に記帳するのが一般的だ。試算表の科目残高を集計するには、仕訳を科目ごとの元帳に転記しなければならない。この方法には、少なくとも2つの人為的ミスが発生する可能性がある。元々の仕訳の記入ミスと転記の際のミスである。

さらに、この2つをクリアしても科目残高の集計ミスの可能性も残る。つまり、手書きの帳簿では、ミスを防ぐためのチェックばかりに時間を取られることになるのだ。「チェック作業は会計の本質ではない」ことは言うまでもないだろう。

「会計王10」を使うと、まず、入力の精度が上がる。勘定科目や補助科目は、事前に選択し入力する構造になっているので、聞いたこともない科目が間違って記帳されることはない。これだけでも後のチェックが楽になる。

勘定科目や補助科目の入力は選択方式なので、入力ミスが起こりにくい。基本的に、科目と金額を間違えなければ、試算表上のつじつまが合う

元帳や試算表は、データを内部で処理しているだけなので、仕訳さえ入力すれば、転記も集計も一切不要なのである。その結果、試算表を見たいときに見られるようになる。実際、会計上、最終的に必要なのは試算表であり、帳簿は、その根拠となる記録である。仕訳を入力するだけで試算表ができるということは、会計の作業の大幅な短縮になるのだ。

会計の目的には、「納税額の計算」と「経営状態の把握」という2つの面がある。納税のための試算表は、決算の時期だけあればよいが、経営のための試算表は、日々常に必要である。試算表がいつでも見られるのは、経営者にとって心強い。

仕訳が正しく入力されていれば、正確な試算表をいつでも見ることができる