日立製作所 執行役副社長の三好崇司氏

日立製作所は5月12日、2009年3月期(2008年4月1日~2009年3月31日)の連結/個別決算、および2010年3月期(2009年4月1日~2010年3月31日)の見通しを発表した。

それによると、2009年3月期におけるグループ全体の連結売上高は前年比11%減の10兆3億円、営業利益は前年比63%減の1271億円、純利益は前年の581億円損失から7951億円損失と大幅な業績悪化となった。

前年比の業績と、2009年3月期の業績ハイライト(クリックで拡大)

事業別の内訳を見ると、「情報通信システム」「電子デバイス」「電力・産業システム」「デジタルメディア・民生機器」「高機能材料」「物流およびサービス他」「金融サービス」の7事業すべてで売上高が減少。営業利益は、情報通信システムが前年比52%増の1766億円となったものの、電子デバイスで49%減の273億円、電力・産業システムで82%減の242億円、高機能材料で80%減の277億円、物流およびサービス他で17%減の230億円、金融サービスで60%減の102億円と大幅に減少したほか、デジタルメディア・民生機器では1055億円の損失となった。

事業部門別の売上高と損益計算書(クリックで拡大)

日立製作所 執行役副社長の三好崇司氏は、このような業績に陥った理由として、世界的な経済環境の悪化に伴い、自動車や半導体、産業機器などの需要が急減したことを挙げた。同社では、今年度の第3四半期後半までこうした傾向が続くと見ており、2010年3月期の見通しでは、売上高が11%減の8兆9000億円、営業利益が76%減の300億円、純利益が5173億円改善の2770億円損失と予想している。

今後は、自動車機器や建設機器などの事業で構造改革を引き続き進めていくほか、デジタルメディアに対する海外販売チャネルの絞込み、ディスプレイ事業における中小型液晶への経営資源の集中などを行い、固定費2000億円削減を目指す。

なお、日立製作所個別の業績は、売上高が2兆6100億円(前年比7%減)、営業利益が322億円損失(前年比419億円改善)、純利益が2945億円損失(前年比1667億円悪化)という結果となっている。