シャープは4月1日より、小さな屋根や複雑な形状の屋根に設置が可能な「ルーフィット設計対応住宅用太陽光発電システム」を発売すると発表した。新しい設計方式を採用し、屋根の形状や面積にあわせて効率よく太陽電池を設置できるため、従来製品では対応が困難な屋根にも設置できるという。発売は当面、東京都内限定で行う。

ルーフィット設計対応太陽電池モジュール(設置イメージ)

ルーフィット設計とは、1種類の太陽電池モジュールを並べる従来設計とは異なり、大きさが違う2種類以上のモジュールを組み合わせて設置する設計のこと。同設計によりモジュールを約7cm~25cm刻みで設置できる(従来品は約117cm刻み)ため、屋根の幅や面積にあわせて効率よく敷き詰めることが可能という。加えて、ルーフィット設計対応太陽電池モジュールおよび専用架台の耐風圧性能を従来品に比べて強化したことにより、屋根の端近くまで設置できるとのこと。これらにより設置できるモジュール枚数が増え、同社によれば従来に比べて設置容量が平均で約24%増加するとしている。ちなみに、ルーフィットとは"ルーフ"に"フィット"するという意味の同社による造語。

また、標準電圧用に加えて低電圧入力用の太陽電池入力回路を装備したダブルレンジ・パワーコンディショナーを発売する。従来はモジュールを屋根に置けても、枚数が少なく電力が低いためパワーコンディショナーに接続して電力を取り出すことができないケースがあったという。同パワーコンディショナーは低い入力電圧に対応したことで最少3枚のモジュールがあれば電力を取り出すことができ、面積が小さな屋根でも太陽光発電システムの導入が可能とのこと。こちらは、4月24日より全国一斉発売。

ルーフィット設計対応太陽電池モジュールとダブルレンジ・パワーコンディショナーにより、小さい屋根や形状が複雑な屋根など従来は設置が難しかった屋根でも太陽光発電システムを導入できるという。同社によれば、東京都内はこれらの屋根が多いため導入効果が大きいことと、東京都では1月から再開された国の補助金制度と並行して4月からグリーン電力証書を活用した補助金制度が施行されることから、先行して投入するとしている。設計パターンをデータベース化した上で、順次全国展開を行う予定。

ダブルレンジ・パワーコンディショナー 左から「JH-L9L12」、「JH-S9L11」

ルーフィット設計対応太陽電池モジュール
品名 多結晶太陽電池モジュール
愛称 SUNVISTA(サンビスタ)
形名 ND-160AV ND-114CV ND-061LV ND-061RV
用途 標準 標準 コーナー コーナー
公称最大出力 160W 114W 60.5W 60.5W
モジュール変換効率 13.9% 13.5% 10.1% 10.1%
外形寸法(縦×横) H1165×W990mm H990×W856mm H990×W856mm H990×W856mm
質量 14.5kg 11kg 8.5kg 8.5kg
価格 7万9,380円 6万3,840円 4万6,410円 4万6,410円
太陽光発電用ダブルレンジ・パワーコンディショナー
形名 JH-L9L12 JH-S9L11
定格出力 3.5kW 2.5kW
入力回路数 標準1回路/低電圧2回路 標準1回路/低電圧1回路
入力動作電圧範囲 標準回路:DC80~350V、低電圧回路:DC40~175V
外形寸法 W637×H408×D177mm W560×H408×D177mm
質量 29kg 26kg
価格 24万7,800円 31万3,950円