ウエスタンデジタルは23日、シングルドライブのNAS「My Book World Edition」とテレビに接続してUSB外付けハードディスクのコンテンツを再生できるHDメディアプレーヤ「WD TV」を発売すると発表した。「My Book World Edition」の価格は未定で3月下旬に発売を予定。「WD TV」の価格は1万3,800円で3月中旬に発売する予定だ。

「My Book World Edition」はギガビットイーサネットに対応したシングルドライブのNASで、容量は1TBと2TBの2種類。同社の据置型のハードディスクと同じデザインのケースを採用している。MacおよびWindows環境からのアクセスが可能で、付属のバックアップソフトによりクライアントパソコンのデータの自動バックアップができる。DLNAに対応したメディアサーバー機能を搭載し、Playstation 3やXbox 360などとも連携する。また、同社のMioNetにより外出先などからのリモートアクセスも可能。さらに、同社のハードディスク「GreenPower」シリーズを搭載し、省電力、静音、ファンレスを実現したとしている。本体サイズは58×173×147mmで、本体質量は1.09kg。ACアダプタ、LANケーブル、Windows XP用のNAS検出ソフトが付属する。対応OSはMac OS X v10.4 Tigerまたはv10.5 Leopard、Windows Vista、Windows XP。

「My Book World Edition」

増設用USBコネクタも装備する背面

なお、「My Book World Edition」の2TBモデルは、3.5型のハードディスクとして初の2TBの容量を持つ「WD Caviar Green 2TB」を搭載する。500GBのプラッタを4枚内蔵し、32MBのキャッシュを備えている。インタフェースはSATAで、転送レートは最大3Gb/s。

「WD TV」は、テレビに接続して動画、音楽、写真の視聴が可能なHDメディアプレーヤ。本体内には記憶装置を持たず、パソコンなどからコンテンツを転送したUSB 2.0対応の外付けハードディスクを接続してテレビで再生する。操作は付属のリモコンで行い、HDMIポートによって最大1,920x1,080ドットのハイビジョン映像出力に対応する。この他に、出力用としてRCAコネクタも備えているため、HDMIポートを持たないテレビとの接続も可能。ハードディスクを内蔵しない製品は、同社として初となる。

コンパクトな「WD TV」本体

HDMIポートとRCAコネクタを装備する背面

再生可能な形式は以下のとおり。動画は、MPEG 1/2/4、WMV9、AVI(MPEG 4、Xvid、AVC)、H.264、MKV、MOV(MPEG 4、H.264)。音楽は、MP3、WMA、OGG、WAV/PCM/LPCM、AAC、FLAC、Dolby Digital、AIF/AIFF、MKA。静止画は、JPEG、GIF、TIF/TIFF、BMP、PNG。対応するフォーマット形式はFAT32、NTFS、HFS+だが、Mac OS 拡張(ジャーナリング)フォーマットには対応しない。USBハードディスクだけではなく、デジタルカメラやメディアプレーヤなど多くのUSBストレージデバイスを接続することができるとしている。本体サイズは100×40×125mmで、本体質量は303g。リモコン、ACアダプタ、コンポジットAVケーブル、Windows版メディア変換ソフト「ArcSoft MediaConverter 2.5」、同社製ポータブルハードディスク「My Passport」シリーズ用のスタンドが付属する。

操作は付属のリモコンで行う

内蔵ハードディスクドライブを周辺機器メーカーに多数納入している同社だが、競合となる外付けモデルの展開を進めることについて代表取締役社長の金森苧氏は「外付けモデルを売ることによって、ウエスタンデジタルのブランド力が強くなると考えています」と語り、2008年5月から投入した外付けハードディスクはアップルストアなどで順調に売れていることをあげ、外付けビジネスにも注力するとした。また、ハードディスクビジネス全体については「低価格で製品を提供するためには信頼性の高い製品を製造することが重要です。不良品を多く出すと製品保証に対する出費が嵩んでしまい、その分コストに跳ね返ってしまうからです」と同社の品質面を強調した。

ウエスタンデジタルジャパンの金森氏