1台2役サーバパックではニーズや規模に応じて薄型省スペース筐体のスリムサーバ「Express5800/110Ge-S」、CPU増設が可能なタワー型サーバ「Express5800/120Ei」、100V静音電源を搭載し中小企業でも導入しやすいブレードサーバ「SIGMABLADE」の3種類から選択することが可能だ。

「1台2役サーバパック」で提供されるNECのサーバ。左から「Express5800/110Ge-S」「Express5800/120Ei」「SIGMABLADE」」

バックアップ装置や無停電電源装置も標準で装備されている。NEC クライアント・サーバ販売推進本部 兼パートナービジネス推進本部 マネージャーの大塚俊治氏は「省スペースや省電力といったニーズから、中小企業で最も需要が高いのはスリムサーバだと予想しています。世界最小の設置面積ながらメモリやディスク容量が豊富で、さらにはRAID 5対応の高い信頼性なども大きなポイントです」とアピールする。

また、パートナー企業として活動を進める2社については「大塚商会様とは古くからお付き合いがあり、特に全国の販売網を駆使した戦略は、メーカーでの取り組みが難しい中堅マーケットに対して大きな支援となっています。マイクロソフト様とは一緒にセミナーも行っており、Hyper-Vによる馴染みのあるWindowsライクな操作性などは中小企業向けとして大きなポイントです。こうした関係の中から、1台2役サーバパックのような新規ビジネスを更に発展させていきたいですね」と大塚は語る。

最近の中小企業にはクラウドコンピューティングやSaaSなど、管理の手間がなく使える選択肢も増えてきている。この中小企業を取り巻く背景と仮想サーバの関係について中本氏は「最終的にどちらを選ぶかは市場が決めることですが、現在はまだ多くの経営者に“情報を身近な所に置いておきたい”という考え方が残っており、実際にこれがSaaSの浸透率が向上しない原因となっています。確かに手間やリスクを第三者が負担してくれる方が便利ですが、大きなパラダイムシフトには経営者の世代交代が必要になるため、ここ数年で一気に市場が傾くとは思えません。

ちなみに『1台2役』という名前が付けられているものの、このサーバパックでは1台の物理サーバ内に複数の仮想サーバを構築することが可能。仮想サーバの数に応じてOS自体の料金は追加されるが、インストール費用は一律となっている。気になる価格は、2台分の仮想化環境を構築したケースで約200万円から。金額には必要なハードウェアとソフトウェア、設定・設置費用がすべて含まれており、同クラスの物理サーバを2台用意した場合と比べて約35万円、3台の仮想サーバでは約140万円のコスト削減効果が得られるという。

「1台2役サーバパック」で協力関係を築く3社の代表者たち(左からNECの大塚氏、大塚商会の中本氏、マイクロソフトの藤本氏)