NECエレクトロニクスは2月9日、DVDへの記録・再生に必要な機能を1パッケージに搭載したDVD駆動装置向けシステムLSI「SCOMBO 8」を開発したことを発表した。即日サンプル出荷を開始、サンプル価格は1,000円で、量産は3月から月産100万個程度で開始し、2009年度末には月産400万個体制まで拡大する計画。
同製品は、DVDの駆動に必要となる光ピックアップの制御を行うサーボ制御回路、データ変調/復調回路、デジタル・リードチャネル、ライトストラテジ回路などの機能に加え、光ピックアップ出力信号を処理するアナログ回路、CPU、シリアルATAインタフェースを1チップに集積したほか、16MビットのSDRAM、16MBのフラッシュメモリと組み合わせたSiPにより、14mm角の1パッケージに封入することに成功しており、外付け部品を同社従来品比で2~3割削減し、100以下の部品でDVDドライブを構成することが可能となる。
また、BiCMOSプロセスを採用することにより、バイポーラプロセスをアナログ回路へ、CMOSプロセスをロジック回路へそれぞれ適用でき、回路の最適化が図られている。これにより、24倍速でのDVD書き込みを実現可能としている。
さらに、90nmプロセスを導入することで、内部電源電圧を1.5Vから1.0Vへ引き下げることに成功。加えて、CPUなどの各機能ブロックの最適化が図られており、これにより、現行のスリムドライブ製品の最大速度であるDVD8倍速書き込み時の消費電力を同社従来品比50%減となる0.8Wで行うことが可能となっている。なお、同社では、DVD24倍速書き込み時でも、消費電力は1.0Wとしている。