独Mufinが音楽リコメンデーション・サービス「mufin」をベータ公開した。同社のWebサイト、FacebookおよびMySpace用のアプリから利用可能。また同社の技術を使ってパソコン内の音楽ライブラリから自動的にプレイリストを作成するiTunes用プラグインの提供も開始した。iTunes 8で追加されたAppleの音楽リコメンデーション機能Geniusのライバルになる。

Mufinが注目されているのは、同社がMP3フォーマットを開発したFraunhofer Instituteからのスピンオフだからだ。Fraunhoferで開発されてきたDSP分析とフィンガープリント技術がmufinに用いられている。リコメンデーションは、テンポやリズム、音密度、楽器など40以上の特性を解析し、音楽ごとにユニークなフィンガープリントを付与する。解析作業は1曲あたり1-3秒程度で終了するそうだ。

オーディオをベースにしているため、同じレーベルのアーティストや関連しているアーティストという様な情報ベースのグループ化には対応しない。だが「人気やコミュニティでのおすすめをベースにしたリコメンデーションよりも、幅広い対象から音楽を掘り起こせる」(Mufin)という。

mufinはWebサイト、mufin for Facebookまたはmufin for MySpaceから利用できるが、ライセンスの関係からストリーミング再生は30秒の試聴に限られている。一方mufin for iTunesでは、パソコン内のiTunesライブラリの音楽が対象になるため、作成されたプレイリストをフルトラック再生できる。iTunesの方が実用的で、またmufinの音楽スキャンとマッチングがどのように作用しているかを確認しやすい。ただし対応OSはWindows Vista/ XPのみで、対象ファイルがMP3に限られる。このほかMusic FinderというMAGIXのメディアソフトでも、パソコン内の音楽からのプレイリスト作成にmufinを利用できる。対応OSはWindows 2000/XP/Vista。

Mufinはオーディオ識別/ ナビゲーション/ リコメンデーション技術をデジタル音楽ストアやソフトウエアベンダー、通信キャリアなどにライセンスするのをビジネスモデルとしている。今回のベータ公開とmufin for iTunesの提供は、その音楽解析とリコメンデーションの精度をアピールするのが狙いだ。