近年では日米安全保障条約への依存から"アメリカはいつも日本の側に立っている"という思い込みが日本人の中で強くなっている傾向がある。しかし櫻井氏は「"国家は国益で豹変するもの"であり、日本をアメリカにとってかけがえのない国にする必要があります」と語る。

これはアメリカだけでなく世界各国との関係についても、自らの必要性を見出さなければ長続きはしないだろう。「パートナーとして組むのは中国よりも圧倒的に日本が良い」と言わせるため、知恵を絞らなければいけない時期に来ているわけだ。現在直面している金融危機に関しても、櫻井氏は「日本的な価値観に基づいて金融制度を練り直し、麻生政権は全力を上げて世界に発表すべきであり、そこに日本の貴重な資金やトップ水準の技術を使うべきです」と語る。

最後に櫻井氏は「日本は独自の市場を持ち、日本のやり方がいかに素晴らしいかを世界に発信する国家になるべきだと思います。その力は十分に備えているので、あとは国民がそれを認識しているかどうかです。日本人とは言えない現在の状態から脱して、より良い日本人を目指しましょう」と語り、講演の最後を締めくくった。