ノークリサーチが年商5億円から500億円を目安とした全国約7,000社の民間企業を対象にした「2008年中堅・中小企業の生産管理アプリケーション利用シェアと評価調査報告」による(有効回答数は1,765社)と、中堅・中小企業が利用する生産管理アプリのパッケージ化率は61.9%と販売管理と並んで低く、パッケージを導入した場合でも大幅なカスタマイズが入ることが多いという。
利用パッケージのベンダー別シェアは、全体では富士通「GLOVIA-C(smart)」が9.5%で首位だった。以下、エクス「電脳工場」(7.9%)、NEC「Explanner」(7.1%)と続くが、飛び抜けてシェアが大きいベンダーは無い。
ユーザー企業の年商規模別に見ると、年商50億円未満の企業では電脳工場が7.3%と首位に立ち、2位以下には日立情報システムズ「TENSUITE」(5.5%)、GLOVIA-C(smart)、Explanner、NTTデータシステムズ「SCAW」(いずれも4.6%)が続く。シェア上位に名前が挙がらないパッケージの利用率が60.6%を占めており、各社横並びといった状況だ。
年商50億円以上の企業ではGLOVIA-C(smart)が13.4%で首位、2位はExplanner(9.7%)、3位は電脳工場(8.2%)であり、年商50億円未満の企業と比べ上位3社の割合が高い。上位2社はいずれも元オフコンベンダーであることから、既存のオフコンユーザからのリプレースにおいて強みを発揮しているとノークリサーチは見ている。
パッケージに対する満足度評価では、利用シェア4位のティーピクス研究所「TPiCS」が72.7ポイント、5位のTENSUITEが68.0ポイントと、上位3社に比べて高い評価を得た。生産管理全体で見ると、他の業務アプリケーションに比べてパッケージ満足度は低い。従来のオーダーメイドシステムに比べて業務へのマッチ度が落ちること、生産管理パッケージ自体がまだ洗練されてはおらず、パッケージの成熟度が低いことが原因とノークリサーチは分析する。
利用予定シェアを見ると、GLOVIA-C(smart)が22.2%で1位、Explannerが12.8%で2位であり、上位2社で35.0%を占めた。3位以下は拮抗しており、当面は混戦模様が続くと見られる。