米Sun Microsystemsは7月31日(現地時間)、「JavaFX Preview」の提供を開始したと発表した。JavaFXはスクリプト言語をベースに簡易にRIAアプリケーションの開発と実行が行えるプラットフォーム。今回提供されるのは開発者向けのプレビュー版で、秋の正式版リリースに向けて早い段階から新プラットフォームに慣れてもらうことが狙い。プレビュー版のモジュールはJavaFXのサイト上で公開されており、ここからSDK、ランタイム、IDE向けプラグインなどが入手できる。

JavaFXでは、従来のJavaやJavaScriptといった技術と比較して、よりビジュアライズされてリッチなフロントエンド・アプリケーションを簡単に記述できる点を特徴としている。例えばPCや携帯機器だけでなく、TVや家電など、幅広い用途での利用を想定しており、これらプラットフォーム上で映像やビデオ、アニメーションなどを駆使したリッチなアプリケーション開発での活用が期待される。JavaFXは2007年に初めて紹介され、今年5月に米国で開催されたJavaOneでは、PC向けのJavaFX for Desktopが今年秋に、携帯機器向けのJavaFX for Mobileが2009年春に正式リリースされるとロードマップが公開されている。

なお、今回提供開始されたのは次の4つのコンポーネントとなる。

  • JavaFX Preview SDK: JavaFX開発の基本になる開発キットで、コンパイラのほか、ランタイムツール、2D/メディアライブラリなどが用意されている。そのほか関連リソースとしてチュートリアル、API解説書、サンプルコードなども同梱される

  • NetBeans 6.1 IDE with integrated JavaFX plug-in: NetBeans用のプラグイン。これにより、ビルドからプレビュー、デバッグまでをNetBeansの統合環境を介して行える

  • Project Nile: ビジュアルツール。Adobe Photoshop / IllustratorのファイルやオブジェクトをJavaFX用のリソースに変換できる

  • Java Runtime Environment 6 Update 10 Beta: Webブラウザのプラグインとして動作するランタイムエンジン。このプラグインの導入により、Webブラウザ上のアプレットをブラウザ外にドラッグして、そのままデスクトップ・アプリケーションとして利用できる機能が使用可能になる