NEC 執行役員常務 小野隆男氏 |
NECは31日、2009年3月期第1四半期(4-6月)の決算概要を発表した。売上高は前年同期比0.7%減の1兆12億円、営業利益は同63.7%減の41億円、経常利益は同14.6%減の71億円、純損益は同50.0%減の5億円となった。売上高の減少は、IT/ネットワーク(NW)ソリューション事業におけるネットワークシステム分野およびエレクトロンデバイス事業の売り上げが減少したことによるもの。
セグメント別の業績は、IT/NWソリューション事業では、ITサービス/SI分野がおおむね堅調に推移した結果、同2.8%増の1643億円となるも営業損益は20億円の損失。この営業損失について、同社執行役員常務の小野隆男氏は、「マイナスとなっているが、ほぼ計画通り」とした。また、ITプロダクト分野は大型案件を含め、サーバ/ストレージが伸びた結果、同12.2%増の1250億円で、営業利益は100億円となった。ネットワークシステム分野はNGN関連が順調に伸びたが、モバイルキャリアの投資抑制などの影響により、同10.7%減の2210億円で、営業利益は前年同期150億円減となる10億円となり、事業全体としては、売上高が同1.3%減の5651億円、営業利益が同50.3%減の77億円となった。
モバイル/パーソナルソリューション事業の業績は、モバイルターミナル分野が買い替え期間長期化などによる市場規模の縮小の影響を受けながら、投入機種を前年同期の2機種から8機種に増加させた結果、同26.0%増の1058億円となった。「携帯電話は年間700万台の出荷を目指している。市場環境は厳しいが、デザイン、機能、薄さなどを武器に販売を進めていく」(同)としている。
また、パーソナルソリューション分野は国内が堅調に推移したものの、海外やパソコン以外の売り上げ減の影響を受け、同5.3%減の1205億円となり、事業全体では同7.1%増の2263億円、営業利益は同39.4%減の58億円となった。
エレクトロンデバイス事業は、既報の通り半導体分野が同4.2%減の1663億円となったほか、電子部品その他分野が電子部品および小型LCDの売り上げ減などの影響を受け、同3.7%減の311億円となり、事業全体では同4.1%減の1974億円、営業損益は前年同期より42億円改善し2億円の損失となった。
収益面については、営業利益の減少は、原価率の改善を進めたことにより売上総利益は増加したものの、携帯電話の機種増加による開発費増加などにより販売費および一般管理費が増加した結果としている。
同社では、期初の上期予測の全体数値の変更は行わないものの、IT/NWソリューション事業の営業利益の内訳を、ITサービス/SIが期初予測から20億円上方修正し160億円、ITプロダクトが同30億円の上方修正で10億円の損失、ネットワークシステムは同50億円の下方修正で260億円と変更している。
なお、小野氏は、「市場環境は厳しさを増しているが、目標達成を目指し、成長戦略に沿った事業を展開していきたい」とした。