Adobe Systemsは1日(現地時間)、Flash Playerを用いた動的コンテンツやRIA(Rich Internet Application)に対する検索結果の精度を向上させるべく、GoogleやYahoo!といった検索エンジン大手と提携することを発表した。

これまでFlashを利用したサイトやRIAは、検索エンジンに「引っかかりにくい」のが悩みの種であった。その理由は、Flashコンテンツの動的な性格によるところが大きい。 Flashのファイル形式であるSWFは、現在でもそのフォーマットが公開されているため、内部に含まれる静的なテキストやリンクについては検索エンジンによるインデックス化の対象となる。しかしFlashを使用したアプリは、実行時にコンテンツを外部から動的に読み込むことも多く、こうした動的コンテンツは検索の対象にはなりにくい。Flashコンテンツの制作者はこうした状況に対応すべく、検索エンジン対策のためにコンテンツを別に用意したり、修正が迫られるケースも少なくなかった。

今回Adobeは、GoogleとYahoo!に対してFlash Playerの詳細な技術情報を提供することで、Flashアプリに関する検索インデックスの大幅な改善を促す。この提携により、コンテンツが動的に変化するようなFlashコンテンツやRIAに対する、検索結果の信頼性向上が期待できる。

Googleはすでに、供与されたFlash Playerの技術情報を用いて、検索エンジンの改善に取り組み始めているところだと言う。Yahoo!も将来的には、Yahoo! Searchのアップデートとともに同様の改善を行う予定だ。

Adobeと検索エンジン大手がこうした取り組みを行うことで、Flash技術の採用がさらに促進する事は間違いない。Flashコンテンツの提供者やRIA開発者にとっては、検索エンジン対応のための追加作業から解放されるという利点があり、エンドユーザにとってはより適切な検索結果を得られるという利点がある。