NECは27日、米国のソフトウェア会社「NetCracker Technology」を買収すると発表した。買収額は約3億ドルで、この買収により、通信サービス事業者向けビジネスの強化、ならびに海外でのソフトサービス事業の加速を行う。

握手を交わすNetCracker TechnologyのPresident&CEOのAndrew Feinberg氏(左)とNEC 代表取締役 執行役員社長 矢野薫氏

「NGNやワイヤレスブロードバンドの世界的な立ち上がりが期待できる。現在の中心事業領域であるハードウェアはコモデティ化が進展しており、将来的な成長分野として海外でのソフト・サービス事業を強化する必要があった」(NEC 代表取締役 執行役員社長 矢野薫氏)としたほか、「通信サービス事業領域において、NGNをベースとしたグローバル展開を図るには弱点である経営システム分野を補完する必要があった」(同)と同買収の意義を語り、現在の事業の構成比率(ハード60%、ソフト・サービス40%)を「将来的には逆転させたい」(同)とした。

NECの成長戦略

買収により弱点を補完

NetCrackerは93年の設立で、主に通信サービス事業者向けの経営システムの開発、ならびにシステム構築などのサービスの提供を行ってきており、サービス導入支援の領域で強みを持つ。北米および欧州を中心に事業を展開しており、2007年の売上高は約100億円で、2008年度も高い伸びが期待できるとしており、矢野氏は「NGNの領域において、NetCrackerは1番成長が期待できるポジションにいる」と強調する。

NetCrackerのポジショニング

また、「NGNではネットワークが統合され、サービスが多様化するが、それを統括する"経営システム"の統合が必要となる。統合においては柔軟はシステムでなければ、競争上の不利となることから、いかに"運用支援システム"を拡充するかがポイントとなる。NetCrackerは、運用支援システムでも"サービス導入支援"に強い企業であり、買収することにより、よりフレキシブルな経営システムの構築が可能となる」(同)と、買収により"経営システム"の拡充が図れることも強調した。

経営システムの統合がNGNでは不可欠になる

同買収に伴い、NetCrackerはNECの完全子会社となるがブランドは継続して用いられることとなる。また、事業体制もマネジメントに役員を派遣するほかは現体制を維持する方針だ。「NECとNetCrackerの開発・SIが連携を行うほか、販売も連携することで国内外の市場に柔軟に対応できるようになる。また、フルラインのサービスが提供できるようになり、新しいサービスの提供を海外の通信サービス事業者に提案することができるようになる」(同)と、買収の効果を語る。

買収後のNetCrackerの運営体制

なお、同社では、今回の買収により、今後5年間で新たに2,000億円のビジネスを見込むとしており、経営システム事業の事業規模も2008年度見込みの1,500億円から2012年には2,500億円へと成長させる計画であるとした。

今後5年間で2,000億円の売り上げを見込む