New York Timesが自社のコンテンツにアクセスするためのAPIを公開するという噂が流れていたが、Yahoo! Developer NetworkにA few more details on the upcoming New York Times APIのタイトルでインタビューの内容が公開され、その全容が明らかになってきた。結論からいえば2008年夏ごろからコンテンツにアクセスするAPIを公開し、以後フィードバックを得ながらさらに多くのAPIを提供していくということだ。

インタビューを受けているのはThe York Times Digital OperationsのCTO、Marc Frons氏。New York TimesがAPIを提供する目的は、同社のコンテンツを可能な限り扱いやすい形で広く配布し、読者や開発者に対して今まで以上の活気を提供していくことにあるとしている。

新聞や雑誌などの媒体で重要な役割を担うのは編集者だ。どういったコンテンツをとりあげるのか決定する権限があり、その媒体の方向性を左右する。媒体としての人気も編集者の腕にかかっているわけだ。しかしWebが普及した現在、編集者の視点のみならず、ユーザが独自の視点をもって媒体に取り組む必要性がでてきているのかもしれない。APIの提供はそういったニーズに答えるものというわけだ。

技術的な詳細やどこまでAPIを公開するのか、公開の明確な時期などは現在作業が進展しているようで細かい発表はされていない。同インタビューによれば2008年夏の公開を目指していること、最初は読み込みのみのAPIを提供しフィードバックを得つつ次のAPIや書き込みを許可するAPIを模索すること、データ通信の増大に対応するためある程度のリミットを設けることなどが説明されている。

New York Timesにおける取り組みはほかの新聞媒体にも影響を及ぼす可能性がある。日本で同様の取り組みがはじまるか不透明だが、New York Timesの結果次第では世界の潮流としてそういった流れに向かっていくかもしてない。取り組みの可否を含めて今後の展開に注目しておきたい。