Texas Instruments(TI)は10日、16ビットRISC型低消費電力マイコン「MSP430」に、「MSP430F5xxファミリ」を追加したことを発表した。即日サンプル出荷を開始、2008年8月より量産出荷を予定している。単価は1,000個受注時で445円からとなっている。

同ファミリの実行速度は最高25MHz、消費電力は従来品比で20%減となる1MHzあたり160μAを実現している。また、スタンバイモードおよびスリープモードから最大処理速度まで5μs以内で動作復帰ができるため、必要な時以外は寝かせて使うといった使い方が可能だ。

スタンバイモード時においては、カレンダーおよびアラーム機能付きの32ビットリアルタイムクロックとBOR(Brown Out Reset: 電圧低下に対する自動リセット機能)、WDT(Watch Dog Timer)を同時機能させた場合でも1.5μAの消費電流を実現。

さらに、マルチチャネルのDMAにより、CPUコアが低消費電力モード状態の場合でも、ペリフェラル間のデータ転送を実行可能なほか、新規に追加されたPMM(Power Management Module)により、パフォーマンスに応じた最適なコア電圧を自由に選択できると同時に、パワーオンリセットや電源電圧監視およびモニタリングが保証される。このほか、UCS(統合クロックシステム)の採用により、電源に最適なクロックの選択が可能となっている。

加えて、同ファミリでは、フラッシュメモリにおける消去および書き込み電圧を1.8Vに低減、単4電池を2個使用するアプリケーションの場合には、電池1個あたりが0.9Vになるまで、フラッシュメモリの書き込み機能が活用できる。

なお、同社では、同ファミリにUSB、暗号化、RFおよびLCDインタフェースなどのペリフェラルを追加していく予定としている。