日立製作所は、同社が10年間にわたって提供してきた企業間ビジネスメディアサービス「TWX-21」をベースとして、企業の業務別、役割別、利用者別に応じたきめ細かなサービスを提供する「SaaS型ビジネスアプリケーションサービス」を開始すると発表した。

通信・情報グループCSO兼経営戦略室長 北野昌宏氏

通信・情報グループCSO兼経営戦略室長 北野昌宏氏は、企業間取引において、ドキュメントのやり取りが今後の課題と認識している。非定型の業務の中での図面やりとりというのは、標準化、SaaS化という流れの中では重要である。そこで、SaaSプラットフォームとして進化しているTWX-21の新たなソフトウェア機能をSaaS提供することになった」とその背景を語った。

日立製作所では、10年前からTWX-21として、企業と企業のつながり力をサポートするBtoBサービスとして、EDI、SCM支援、集中購買サービスなどを提供してきた。利用企業は、2008年4月時点で3万8,600社にのぼる。

企業間ビジネスメディアサービス「TWX-21」

今回の新たに開始するサービスは、企業の業務別、役割別、利用者別のBtoBのビジネスアプリケーションを、日立製作所や同社のビジネスパートナーが提供し、ユーザーはその中で必要な部分のみを既存の業務アプリにセレクトインで組み込んで利用していくというのが大きな特徴。

今回発表の新サービスの概要

また、ユーザーやパートナーのコミュニティを通して、利用するユーザーの声をフィードバックし、新たなサービスを追加、改変していく循環的なエコシステムとして提供していく。

通信・情報グループ 産業・流通システム事業部 エンタープライズパッケージソリューション本部 担当本部長 鎌田芳栄氏

通信・情報グループ 産業・流通システム事業部 エンタープライズパッケージソリューション本部 担当本部長 鎌田芳栄氏は、「SaaSを社会インフラとして利用していく重要なポイントとして、安心安全な基盤とともに、常に変化するユーザーニーズや社会の変化を捉え、業務を共通化、標準化していくことがキーになる」と語り、取引先説明会、ヘルプデスク、年2回のユーザー連絡会を通してユーザーニーズを把握し、ユーザー代表として、JEITA(社団法人 電子情報技術産業協会)等の業界団体へ標準化の提案を行っていく考えを明らかにした。

サービスの第一弾として、「設計・製造管理・保守担当者向け図面/仕様書管理サービス」の提供を 6月1日から開始するが、このサービスは、設計情報(製品仕様、図面、仕様書、環境情報等)や保守開発情報(検査情報、品質情報等)といった任意の形式のビジネスドキュメントを、セキュアな空間で授受、共有でき、ドキュメントの交換履歴、共有状況を可視化する。

設計・製造管理・保守担当者向け図面/仕様書管理サービス

今後は、「受発注管理業務サービス」、「倉庫(出荷・納品)管理業務サービス」といったビジネスアプリケーションの提供を計画している。