米IBMは15日(現地時間)、太陽光を電力に変換するコストを大幅に削減する画期的な太陽光発電技術を発表した。
同技術は、集光型太陽光発電(Concentrator PhotoVoltaics: CPV)と呼ばれる技術の一種で、大きいレンズを利用して1平方センチメートルの太陽光発電セルに230Wの太陽光を集めることで発電を行う。集められた光は一般的な集光型太陽光発電の約5倍もの高効率となる、70W分の電力に変換される。同社では、同技術が実用化されれば、発電に必要となる太陽光発電セルの数を減らしてコンポーネントの総数を抑えられるため、従来の集光型太陽光発電システムと比較して大幅に発電コストが削減できるとしている。
セルに集光するにあたって問題となるのが太陽光発電セルの冷却だ。開発の初期においては、発生した熱によって太陽光発電セルのステンレスが溶解してしまうという事態がしばしば発生したが、同社が開発したコンピューターチップ向け冷却技術を適用することで摂氏1,600度以上の熱を摂氏85度にまで冷却することに成功した。この冷却システムは、ガリウムとインジウムの化合物からなる極薄の液体金属層を太陽光発電セルと冷却ブロックの間に注入したものだ。
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再び注目される太陽光発電技術 |