毎年この時期になると、世界中よりJava開発者が米国カリフォルニア州サンフランシスコに集合する。Javaの生みの親であるSun Microsystemsが主催する「2008 JavaOne Conference」が開催されるためだ。2008年のJavaOneは6日(現地時間)、James Gosling氏による恒例のTシャツ投げによって幕を開けた。

General Sessionのプレゼンターは例年通りSunのChief Researcher and Vice President for the Science OfficeであるJohn Gage氏。同氏の参加者に対する「Don't be shy」という呼びかけはすでに毎年の恒例となっており、世界各国のJava開発者が一堂に会するこの機会に積極的に交流を深めJavaOneおよびJavaコミュニティを盛り上げてほしいという意味が込められている。

JavaOneの"お約束"のTシャツ投げからスタート

John Gage氏(中)による「Don't be shy!」も大事な"お約束"

メインスピーカーを務めたRich Green氏。Sunのソフトウェア部門を牽引する

メインスピーカーを務めたのはSun MicrosystemsのExective Vice President, SoftwareであるRich Green氏。同氏は、これからは「コンシューマがイノベーションを牽引する時代」だとして、企業がコンシューマとの間にある壁を取り払わない限り、今後の競争に勝子とはできないと強調した。その上で、コンシューマのイノベーションを促進するための技術がすでにこの場にあると語り、その実例が紹介された。

まず最初にAmazon.comのVice PrecidentであるIan Freed氏が壇上に呼ばれ、Javaアプリケーションを搭載したAmazon Kindleのデモを行った。Amazon Kindleは同社が昨年リリースした電子ブックリーダであり、高速携帯電話通信ネットEVDOを利用して電子ブックや新聞記事をダウンロードすることができる。デモではKindleに搭載したJavaアプリケーションによってAmazon.comの電子ブックを検索し、シームレスにダウンロード/閲覧できる様子が紹介された。

続いて壇上に呼ばれたのはSony EricssonのSenior Vice Presidentを務める坂口立考氏。Sony EricssonはJavaプラットフォームを搭載した携帯電話をリリースしており、最新の「k850i」はJavaの能力を最大限に発揮して次世代のユーザ・エクスペリエンスを実現しているという。

Freed氏によるKindleのデモンストレーションを見て「欲しい!」との声も

数あるJava搭載携帯電話の中でもひときわユニークな「k850i」を紹介する坂口氏