セキュリティ・アズ・ア・サービスが離陸しない理由

SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)がソフトウェア業界全体のトレンドだが、セキュリティ・アズ・ア・サービスは登場するのだろうか?

Shewd氏は、「SaaSの動向を興味を持ってみている。事業を拡大する分野という点では、すばらしい分野だと思う。Check Pointもここで提供できるのではないか」と述べる。まだ具体的な計画はないようだが、アウトソース(マネージドセキュリティサービス)の例はある。Check Pointのセキュリティ技術をサービスとして提供するもので、大手テレコム企業がいくつか提供しているという。だがセキュリティアウトソーシングが本格的に離陸しない理由について、「テレコム企業の多くは2000年ごろに構築したインフラをもち、拡張性が十分ではない」と語った。データセキュリティなど、安全性もSaaSに十分なレベルではないという。

そういったことから、Shewd氏は次世代のサービスに期待を寄せる。「よりSaaSに近づくだろう。安定した環境で動き、ポリシー、ソリューションが柔軟になる。ビジネスモデルという課題も残っている。我々としては、新しいモデルにオープンに対応していきたい」と前向きな姿勢を見せた。

セキュリティ投資には楽観

世界的な景気動向を受け、IT投資への影響が懸念されているが、これについては、Shewd氏は楽観しているようだ。今後の見通しについて、Shewd氏は次のようにコメントした。

「2007年下半期、Check Pointはすばらしい業績を収めた。引き続き、セキュリティへの需要は高いと見ている」。Shewd氏の楽観の背景には、技術がある。会期中に発表したハイエンドの「Power-1 9070」では、価格性能比を4ドル/Gbpsまで抑えた。これは、ハイエンド分野でもっとも優れた値としている。また、数年前に比べて管理のシンプルさは進んでおり、さらなるTCO削減を望めるようになった。

「インフラが高度になり、価格も下がっている。投資するには格好の時代となった。このようなソリューションに喜んで投資したいという企業は多いはずだ」と述べた。