カノープスは、放送局・映像制作プロダクション向けノンリニアハイビジョン編集システム「HDWS」シリーズのフラッグシップモデルとなる「HDWS-3100」を4月下旬から発売すると発表した。さまざまなビデオ機器との接続、ハードウェアアップ/ダウンコンバートが可能なMulti I/O Processor(MIP)が付属するモデル「HDWS-3100MIP」も同時に用意される。価格は「HDWS-3100」が510万円(税別)、「HDWS-3100MIP」が630万円(税別)。

「HDWS-3100MIP」システム構築例。写真右下のコントローラ「MKB-88 for EDIUS」は別売オプション(税別46万8,000円)。モニター、ディスプレイは付属しない

同製品は、SD/HD映像のリアルタイムな編集が可能なワークステーション。異なるフォーマットや解像度、フレームレートの素材をタイムラインに混在させて編集してもストレスなく作業できるという。リアルタイム処理可能なストリーム数は、HDストリームのみ・同社のオリジナルコーデックCanopus HQ(1080/59.94i)映像の場合で最大8ストリーム、1タイトル+1エフェクト適用時・Canopus HQ(1080/59.94i)映像の場合で最大7ストリームと強力だ。P2やXDCAMといったテープレスメディアの運用もオプションで対応。撮影した素材をキャプチャせずに編集開始し、高速でエンコード処理することが可能だ。

「HDWS-3100」本体。前面にUSB、IEEE1394コネクタを装備。電源スイッチは不意に触れてしまわないようカバー内に設置されている

「HDWS-3100MIP」に付属する「Multi I/O Processor」。HD-SDI、SD-SDI、コンポーネント、S端子、タイムコードなどさまざまな入出力に対応する

これらの高速・高性能な編集環境を実現しているのが、同社自社開発のワークステーション本体。高い冷却性能と静音性を兼ね備え、HD-SDI入出力端子やRS-422A端子などを専用ボードに搭載している。編集結果は専用のボードからリアルタイムでアナログビデオ出力され、常にマスタークオリティでチェックしながら作業できる。HDDはシステム用にRAID1の160GB、データ用にRAID10の1TBを搭載し、不意のトラブルにも備える。

付属の「EDIUSキーボードII」。編集ソフト「EDIUS Pro」のキーボードショートカットに対応したキートップがカスタマイズされている

バンドルされる編集ソフト「EDIUS Pro version 4.6」画面

編集ソフトには「EDIUS Pro version 4.6」が付属。素材やタイムラインの映像を確認する「プレビューウインドウ」、編集作業を行う「タイムライン」、映像・音声・タイトルなどの素材をまとめて管理する「BINウインドウ」の3つから構成され、直感的なインタフェースとなっている。

Canopus HQ Codec、HDV 1080i/720p、DVCPRO HD、Windows Media、QuickTimeなどの編集に標準で対応し、事前の変換作業などを必要とせずにリアルタイム編集を行える。マルチカム編集機能、タイムリマップ、カラーコレクションといった編集機能も充実している。また、放送を含む商用利用可能なフォント「Canon FontGallery for Canopus(和文20書体、かな31書体)」、日本語フォント20書体を含む「NGC Japanese Font Viewer」もバンドルされる。