キヤノンは10日、HDV規格に対応したレンズ交換可能な業務用HDカムコーダー「XL H1S」、「XL H1A」を発表した。「XL H1S」は5月下旬から発売開始となり、価格は95万円(税別)。「XL H1A」は6月下旬から発売開始となり、価格は70万円(税別)。「XL H1S」のみ、非圧縮の映像と同時に音声とタイムコード(LTC)も伝送できるEmbedded Audio/TCに対応したHD/SD-SDI端子のほか、GENLOCK入力端子、TC-IN端子、TC-OUT端子を搭載する。これらのほかで2機種間に大きなスペックの違いはない。

XL H1S (左)とXL H1A(右)。外観上の大きな違いはない

「XL H1S」、「XL H1A」は、撮像素子に高解像度1/3型・総画素数約167万画素(有効画素数はHDVモード/SDワイド(16:9)モードで約156万画素、SD標準(4:3)モードで約117万画素)の3CCDを搭載している。映像エンジンにはハイビジョン映像の撮影に効果を発揮するDIGIC DV Ⅱを搭載し、高精細なハイビジョン映像をHDV規格(1080i方式)で記録・再生することが可能。新開発された"HDビデオレンズ 20倍ズーム XL 5.4-108mm L IS Ⅲ"には、蛍石レンズや光学式手ぶれ補正機能に加えて、新たに絞りリングが搭載されている。諸収差を補正するマルチコーティング、ゴーストを低減するSRコート、フレアを低減する非球面レンズの高精度化により、ハイビジョン映像の優れた描写性能を実現したという。

また、同社独自のXLマウントの採用により、従来のXLシリーズ専用交換レンズのほか、オプションのEFアダプタ XL(税別6万円)を用いればEOSシリーズ用のEFレンズ群を装着することも可能だ。

階調の特性を調整するガンマ値や撮影時のカラーを調整するカラーマトリクスなど、23種類の画質調整項目をカスタムプリセット情報に保存できるほか、ビューファインダー表示情報の表示/非表示を個別に選択できるカスタムディスプレイ機能、さまざまな機能の中から使用頻度の高いもの2つを専用ボタンに設定できるカスタムキーなども搭載。オーディオ面では48Vファンタム電源供給に対応したXLR端子を2系統装備するなど、プロユースにふさわしい仕様を備えている。

本体サイズは幅約226×高さ約220×奥行き約496mm。本体重量は「XL H1S」が約2560g、「XL H1A」が約2500g。映像の記録メディアはMiniDVカセットとなる。