米Novellと独SAPは3月17日(米国時間)、既存の提携を拡大し、SAPプラットフォームとしてのオープンソースを推進していくことを発表した。Novellは「SUSE Linux Enterprise」などの自社技術をSAPのデータセンター向けに最適化させる。

提携では、あらゆる規模の企業にSAPの実装プラットフォームとしてのオープンソース技術を提供することを目指す。

まず、NovellはSAPの支援の下、SUSE Linux EnterpriseをSAPのデータセンター向けに最適化。今後2社は、ホスティングサービスの「SAP Hosting」、SAP Developer Network(SDN)コミュニティ、オンデマンドサービスの「SAP Business ByDesign」、中規模企業向けの「SAP Business All-in-One」ソリューションなどを対象に、SUSE Linux Enterprise上でのSAPアプリケーション実装で協業していく。中でも中規模企業分野では、SAPは自社顧客にSUSE Linux EnterpriseをBusiness All-in-Oneの推奨プラットフォームとして売り込む。これにより、顧客は低コストでSAPアプリケーションを実装でき、複雑性も緩和できるとしている。

SAPはまた、BIソフトウェアの「SAP NetWeaver Business Intelligence Accelerator」で、64ビット版のSUSE Linux Enterpriseを同ソフトウェアアプライアンスのプラットフォームの1つとして採用する。

仮想化では、Novellの仮想化管理「Novell ZENworks Orchestrator」とSAPのNetWeaverプラットフォームのサービス管理ツール「Adaptive Computing Controller」を統合、SAP顧客向けの仮想化オプションを強化する。

GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)分野では、SAP Enterprise Services Communityプログラムの下で、NovellのID管理技術をSAPのGRCアプリケーション「SAP GRC Access Control」に統合する。これによりSAP環境と非SAP環境で、ユーザープロファイルを役割に応じて制限、管理できるという。