米Encirqの日本法人であるエンサークは18日、組み込み機器向けデータベースとデータ管理のコード生成を行うSDK(ソフトウェア開発キット)「DeviceSQL」のメジャーアップデート版「DeviceSQL 4.0」をリリースした。

同4.0では、新機能および既存機能の強化として、「コンプレッションアダプター」「MPHash-Lite/MPAVL」「ライトストレージサービス」「インプレースUPDATE」「データベースハンドルサービス」「リカバリーコールバック」などが提供されている。

"コンプレッションアダプター"は、必要ストレージ量を約50%削減することにより、アプリケーションの効率的なストレージ利用を実現する機能。"MPHash-Lite"はインメモリのハッシュインデックスで、これまでメモリ量の問題でインメモリのハッシュインデックスを使用できなかった大量データを扱うアプリケーションでも利用が可能だ。一方、"MPAVL"はページドテーブルデータの範囲検索のためのインデックスで、フラッシュメモリやディスクにデータを保存するアプリケーションの性能を向上させる。

"ライトストレージサービス"は、ページドデータの書き込みを高速化することにより、データロギングアプリケーションや他のデータが再配信可能なアプリケーションの性能を向上することができる。"インプレースUPDATE"は、DeleteとInsertを行う代わりに既存の行データを直接上書きすることにより性能を向上させることが可能だ。

"データベースハンドルサービス"は、同一アプリケーション内で複数の別々のDeviceSQLデータベースにアクセスすることが可能になる機能。"リカバリーコールバック"は、データフェイスのリカバリが必要な場合に開発者が定義した関数を実行する機能で、この機能によりリカバリを続行(データベースをオープン)するかアプリケーションを終了(データベースをクローズ)するかを開発者が決定することができるようになる。

また、同4.0では、データベースの操作および管理のためのツールならびに機能として「SQLProbe」「リモートDBクエリー」などが提供されている。SQLProbeは、アプリケーションを作成することなく直接DeviceSQLのデータファイルにアクセスし、データの検索および更新ができるツール。CSVファイルからのインポートならびにCSVファイルへのエクスポートにも対応している。

SQLProbeを用いた開発画面

加えて、同4.0では"スタンドアロン"組み込みデータベースとしての動作が可能で、これによりDeviceSQLデータベースをDeviceSQLのDynamic C インタフェースまたはInterpretedSQLインタフェースのみで起動、終了を含む全操作を行うことができるようになった。同機能を用いることにより、開発者はプリコンパイルされたDeviceSQL言語コードなしに軽量かつ高性能な組み込みデータベースをアプリケーションに組み込むことが可能となる。