沖電気工業(OKI)は、独自の低消費電力技術を活用することで動作電圧1.1V~3.6Vを実現した8ビットフラッシュメモリマイコン「ML610Q431」「ML610Q432」を開発した。4月からのサンプル出荷、および6月からの量産出荷を予定している。量産規模は月産100万個の予定。

2製品ともに、パワーマネジメント機能としてHALTモード、STOPモード、トリプルクロックを搭載。HALTモードではCPUの命令実行を中断し、STOPモードではCPUおよび周辺回路の動作を停止する。また、トリプルクロックでは500kHz/32.768kHz/4.096MHzの中から処理に応じたクロックを選択することでCPU動作時のローパワーを実現する。

CPUコアには同社オリジナルの「nX-U8/100」を搭載。3ステージのパイプライン処理により、ほとんどの命令を1マシンサイクルで実行することが可能だ。また、高速にメモリアクセス可能なビット操作命令や乗除算命令も備えており、高いパフォーマンスを発揮することができる。

また、LCDドライバを内蔵することで、外付けドライバを不要としているほか、24ビットRC発振型と12ビット逐次比較型の2種類のA/Dコンバータを搭載。抵抗や容量が変化する温湿度センサや、出力電圧が変化する圧力センサなどによる測定を可能としている。

さらに、ソフト開発ツールとしてオンチップデバッグエミュレーター「uEASE」を用いることで、システム動作状態におけるソフトウェアのデバッグや、基板実装状態でのフラッシュメモリの消去/書き込みが可能となっている。