マイクロソフトは6日、小規模事業者向けの事業支援サービス「Microsoft Office Live Small Business 日本語版」の正式スタートを発表した。IT管理者のいない事業者に対し、Webサイト制作や顧客管理、社内情報共有などのツールを提供する。基本的な機能はほぼすべて無償で利用可能。約360万社の国内個人事業主・小規模事業者に広く普及させたい考えだ。

「Microsoft Office Live Small Business 日本語版」のホーム画面。マイクロソフト デジタル アドバタイジング ソリューションズと連携した広告モデルと有償オプションのサブスクリプションモデルを採用し、多くの機能を無償で提供する

Microsoft Office Live Small Businessは、小規模事業者の事業支援を目的としたインターネットサービスだ。2006年12月にベータテストを開始し、約24,000社ユーザーが参加。今回発表された正式版は、そのフィードバックを反映した内容となっており、「ベータテスト時には分かれていたBasic、Essential、Premiumのプランを統合し、シンプルなプランにした」(同社業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 横井伸好本部長)。ドメイン管理、ホームページ作成、電子メール管理、ワークスペース(ファイル共有やスケジュール管理など)、グループウェア、顧客管理といったツールが含まれ、これらを無料で利用できる(有料オプションも用意)。利用にはWindows Live IDが必要で、事業者に限らず個人ユーザーでも登録可能となっている。

マイクロソフト業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長 横井伸好氏

マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 シニアプロダクトマネージャ 鍵山仁一氏

利用者はまずアカウント登録を行ない、各種タスクが用意されたホーム画面で必要な処理を選択する。発表会では例として、ホームページや電子メールを通じて自社情報を発信する方法を紹介。ホーム画面からホームページ作成画面へと遷移し、テンプレートベースでデザインしたり、Windows Live スペース(ブログ)の内容をサイトに反映したりするデモが紹介された。

また、社内情報管理の例として、顧客管理ツール「コンタクト マネージャ」を利用し、顧客情報や各顧客とのやりとりを時系列に一覧表示して社内で共有したり、Webサイト上に設けたフォームに入力された情報と顧客情報を連携させたりするデモも行なわれた。こうしたツールの活用効果について鍵山仁一 インフォメーションワーカービジネス本部 シニアプロダクトマネージャは、「日本では2.6%の企業でしか顧客情報などの社内共有が進んでいない。他の社員が抱える顧客を知らないという例が多い。(情報共有によって)自社に関心を示した顧客を漏らさないようにすることができる」と説明した。

対応OSは、Windows XP/Vista/Server 2003/Mobile。対応WebブラウザはInternet Explorer 6以降/Firefox 2.0。

Webサイトデザインツールの使用例。テンプレートを使ってWebサイトを作成できる

「コンタクト マネージャ」で顧客情報を管理している例

その他の機能

Microsoft Office Live Small Businessの基本機能概要
  • ドメイン管理
    4thドメイン登録(http://●●●.retail.officelive.com/)
  • ホームページ作成/管理
    容量500MB(オプションで追加可能)
  • 電子メール
    標準で100アカウント。1アカウントあたり5GB。Microsoft Outlookと連携(要Outlook Connector)、無料ウイルスチェック
  • 共同作業(専用ワークスペース)
    Windows Sharepoint Service 3.0ベース。標準で5アカウント。ワークスペース容量50MB。
  • 情報共有(グループウェア)
    GroupBoard 3.0(行き先掲示板、電話メモ、回覧板、タイムカードなど)。Document Manager(ドキュメント管理ツール)
  • 顧客管理(コンタクト マネージャ)
    Outlookの連絡先と連携。Access/Excelとの連携
  • セキュリティ
    SSL通信。Windows Live IDによるユーザー認証、1日1回の自動バックアップ
  • サポート(オンライン/Email/TEL)
    TELサポートは30日間無料
有料オプションについて
  • ドメイン管理
    汎用ドメイン登録(com/net/org/infoから選択、2,020円/年、初年度無料)。汎用JPドメイン登録(利用料金はWebサイト参照)、プライベートドメイン登録(940円/年)
  • ホームページ容量追加
    1GB:670円/月、2GB:1,210円/月、5GB:2,020円/月
  • 電子メール
    アカウント追加(無料)。Premium電子メール(Office Live Mailの広告を非表示に)
  • 共同作業
    ワークスペース容量追加…1GB:670円/月、2GB:1,210円/月、5GB:2,020円/月。アカウント追加…10名分:2,020円/月、25名分:6,740円/月、50名分:12,140円/月、75名分:17,540円/月