実用目的と娯楽目的が共存

さらに細かく見ると、ネットユーザーがインターネットに接続してから最初にやることについては、39.7%がリアルタイム通信、20.0%がニュース視聴を挙げており、約6割のネットユーザーは実用な目的からインターネットに接続していることが分かる。

これを考慮すると、娯楽は、実用的な目的を果たしてからついでにやること、もしくは暇つぶしなどといった性格が強いと考えられる。リアルタイム通信が全体の利用割合の第2位(81.4%)、ネットをつないで最初にやることの第1位になっていることは、中国におけるインターネット利用のひとつの特徴だと報告書は指摘している。

インターネットに対する評価をみると、前述のとおり、94.2%のネットユーザーが「インターネットが自分の生活を楽しいものにしてくれている」と答える一方、93.1%は「仕事と勉強に大きな役割を果たしている」としている。つまりインターネットに対しては、ほとんどの人が、娯楽的な機能と実用的な機能の両方があると認識していることが分かる。

オンラインゲームは低学歴層に人気

中国国内ではインターネットの娯楽面を否定的に、実用面を肯定的にとらえる風潮があるが、実際にインターネットを利用しているユーザーにとってみれば、双方の要素が分かちがたく共存しているからこそネットに強くひかれるという面がある。ユーザーのネットに対する依存心は強くなる一方で、79.4%のネットユーザーが、「何か問題があれば、まずインターネットで解決策を探す」、38.3%のネットユーザーが「1日でもインターネットに接続しないと、物足りなさを感じる」と答えている。これらの結果を見ると、インターネットをあらゆることを解決する手段として頼っていることが分かる。

また、中国のインターネット利用においては、学歴、収入、年齢などによって異なる特徴がみられる。ネットショッピングをするユーザーは2007年末に全ネットユーザーの22.1%にあたる4,640万人にも達した。ユーザーの学歴を見ると、学歴が高いほど、ネットショッピングをする割合が高くなるようだ。ネットショッピング利用者の8割以上は都市部に住み、外資系企業に勤めている高収入層であることも分かっている。

また、ネットユーザーの年齢が低いほど、オンラインゲームをプレイする比率が高くなることも明らかとなっている。報告書によると、18才未満のネットユーザーの73.7%がオンラインゲームで遊んだ経験がある。さらに、学歴が低いほどオンラインゲームをする割合が高くなる傾向があることも分かっている。最終学歴が中学校やそれ以下のネットユーザーの71%はオンラインゲームをするが、大学院修士やそれ以上のネットユーザーがオンラインゲームをする比率は38.6%にとどまっている。

また、月収が500元(約7,500円)未満のネットユーザーのうち、68.1%がオンラインゲームをするが、この割合は月収500元以上のネットユーザーより高くなっている。