右からドリーム・アーツ代表取締役社長 山本孝昭氏、ネクスウェイ代表取締役社長 富加見順氏、IIJ専務取締役営業本部長 保条英司氏。今回の協業では、保条氏が両社の"仲人的役割"を果たしたという

ドリーム・アーツとネクスウェイは22日、多店舗運営における本部と店舗間の情報共有とコミュニケーションをSaaSベースでサポートするソリューション「店舗matic」を発表した。大企業向けグループウェア「INSUITE Enterprise」などでポータルソフトの開発に定評があるドリーム・アーツと、複数のメディアによる情報提供サービスで多くのノウハウをもつネクスウェイのコラボレーションを支えるのは、インターネットプロバイダの老舗IIJだ。

店舗maticは、IIJのネットワーク基盤をベースとし、ドリーム・アーツが開発した"多店舗運営支援ポータル"をSaaSで提供するサービス。同製品の営業/販売はネクスウェイが行う。このため、導入から運用までをワンストップで提供することができる。

従来、多店舗運営における"情報共有"および"コミュニケーション"とは、本部から各店舗へのFAXによる指示/通達がメインであり、それに電子メールが加わったことで、「情報の洪水化」(ドリーム・アーツ 山本孝昭社長)によりいっそうの拍車がかかることになってしまった。FAXやメールでの指示は見落としや実行漏れなどが起きやすく、本部はリアルタイムで店舗側の状況を把握することも難しい。一方で、店舗側は本部から送られてくる膨大な情報の処理に忙殺され、本来の業務である接客や販売などに集中できなくなる、という事態も起きている。また、現場から得た貴重な情報や体験なども、FAXやメールでは本部に回収されにくい。

店舗maticは、リアルタイム、かつスムースに本部と店舗間の情報共有が行われるよう、情報を一方通行ではなく、円滑に流通させるように設計されている。本部、店舗それぞれに必要な機能を搭載し、双方が同じタイムライン上で業務を執り行うことが可能だ。たとえば本部側には、指示メールを読んだ店舗/読んでいない店舗がひと目でわかる確認画面やアンケート結果一括集計機能などが、また店舗側には、本部からの指示メールを一括して印刷できる機能などが搭載されている。SaaSベースでの提供なので、導入後もメンテナンスなどの必要がないため、本部、店舗共に本来の業務に集中できるという。

本部内において、店舗の現場がどのように運営されているのかを把握する「本部商売カレンダー画面」

店舗において、毎日はじめに確認する「店舗トップ画面」

店舗と本部で同じタイムラインを共有しながら商売を進めていくための「店舗商売カレンダー画面」

提供は22日に開始、価格は店舗数により変動するが、500店舗で260万円ほどだという。初年度20社、3年後に80社の導入を目指す。