その他の「Afrous」の機能

作成したAfrousのプロセスは、メニューから「Save」を選ぶことで、プロセス情報をサーバサイドに保存しておくことが可能です。保存のためには事前にAfrousサイトにログインしておく必要がありますが、OpenIDアカウントを所有していればアカウント登録する必要なくAfrousにログインできます。OpenIDは国内ではlivedoorやはてな、Voxなどが対応しています。保存したプロセスを再び開く場合は、ログイン状態でメニューの「Open」を選択してください。

わざわざOpenIDアカウントでログインしなくても、「Save to local」メニューを選ぶことで、テキスト形式でプロセス設定を出力することも可能です。読み込み時は「Open from local」メニューを選ぶと、出力したプロセス設定テキストを読み込めます。

「Run Process」メニューを選ぶことで、作成したプロセスをその場で実行し、異なるウィンドウへの出力が可能です。実行のためには事前にサーバサイドに保存する必要がありますが、実行結果をブックマーク保存することでAfrous Editorを毎回起動しなくても出力を表示できるようになります(画面19)。

【画面19】実行結果をブックマークとして保存

残念ながら今回の説明では触れられなかったAfrousに固有の強力な機能として、Afrous Editorをブックマークレット起動することによってイントラネットのWebサイトや認証コンテンツにアクセスし、スクレープするというものがあります。詳しくはAfrousのウェブサイトのデモンストレーションムービーをご覧ください。


「Afrous」の今後

Afrousは他のサーバセントリックなマッシュアップサービスとは異なり、JavaScriptを基軸に据えた、Webブラウザによるクライアントサイドマッシュアップの可能性を突き詰めたものです。まだいくらかコンセプチュアル(概念実証的)な実装ではありますが、今後はFlashやGoogle Gearsなどのローカルストレージ/キャッシュとの連携によるパフォーマンスの向上が見込まれています。エディタについてもさらなる直感的かつ自由度の高いインタフェースを追求することで、よりユーザセントリックなマッシュアップツールへと進化をする予定です。

著者プロフィール

冨田 慎一(とみた しんいち)
おもにJavaScriptやDigital Identityについて調査&ソフトウェア開発中。そのほかJava, Salesforceなどの開発経験あり。セールスフォース・ドットコム在籍時の2007年に未踏ソフトウェア創造事業に採択される。現在 mashmatrix, inc 代表取締役社長。ブログは「snippets from shinichitomita's journal