Symantecグローバルソリューション担当バイスプレジデント ホセ・イグレシアス氏

シマンテックは4日、電力消費を効率化し、地球環境保全に貢献する「グリーンデータセンター」の実現に向けた同社の取り組みについて記者向けの説明会を開催した。

説明を行った米Symantecのグローバルソリューション担当バイスプレジデントのホセ・イグレシアス氏は、「Yahoo!やGoogleはデータセンターをワシントン州に移動するプロジェクトを進めている。同州では水力発電の利用によって電力コストが安価だからだ」とし、データセンターの運営に占める電力コストが企業にとって深刻な問題になりつつある状況を説明した。

また同氏は、「データセンターの管理者にできること」を、「データセンターの再設計」「ハードウェアのアップグレード」「ソフトウェアによる効率化」の3種に分類した上で、ソフトウェア企業であるシマンテックがこの問題について貢献できる具体的な内容として、仮想化や統合をソフトウェアによって実現することを挙げた。サーバの統合に関しては、VMwareを始めとする仮想化ソフトウェアの利用が拡大しつつあるが、シマンテックはVMware環境に対応するクラスタリングソフトウェア「Veritas Cluster Server」を擁しており、これを利用することでVMwareによるHA構成では対応できないアプリケーション障害などにも対応した安全なフェイルオーバーが実現可能であることなどを紹介し、仮想化によるサーバ統合を実現する際に不可欠となる信頼性確保の技術が既に存在していることをアピールした。なお、この分野に関して将来の計画として、新たな管理ツールの投入やOS/アプリケーションのライフサイクル管理に取り組むとしている。

グリーンデータセンターへのアプローチ

データセンターの管理者にできること

仮想化における問題点

また、ストレージに関しても、「Veritas Storage Foundation Management Server」や「CommandCentral Storage」といったソフトウェアの機能により、効率的な階層ストレージの実現や重複データの排除が可能になり、ストレージの使用量を大幅に削減できるとした。参考として紹介されたデータでは、Windowsファイルサーバとプリントサーバに対して重複データを排除した結果、4.3TBのストレージを11GBに削減できた例もあるという。

さらに同氏は、従来取り組みが遅れていた部分としてデスクトップPCの消費電力削減に対してもソリューションが用意されていることを紹介した。スケジュールに基づいてサーバからクライアントPCに対してシャットダウンを指示したりする機能を持つAltiris製品で、日本語版の用意はまだだがすでに国内でも販売が開始されているという。

ストレージの効率化

ストレージだけでなくデスクトップPCの電力削減も視野に

こうした取り組みを通じて同社はデータセンターの効率化を実現し、企業として「サステナビリティ」にコミットメントしていくという姿勢を明確に打ち出した。