高知県教育委員会は28日、マイクロソフトおよびICT教育推進プログラム協議会、デジタル・ナレッジが提供する教職員向けICTスキル向上支援プログラム「ICTスキルアップオンライン」を採用すると発表した。同県は、文部科学省による「教員のICT活用指導力に関する調査」において低評価を受けており、状況の改善を目指す。同オンラインプログラムを採用する自治体は、熊本県や大阪府堺市などに続き高知県が6番目となる。

大崎博澄高知県教育長(写真左)とマイクロソフト公共インダストリー統括本部長 大井川和彦執行役常務

ICTスキルアップオンラインは、ICT教育の普及を目的とした「ICTスキルアッププログラム」のうち授業に必要な項目に絞り、インターネットを通じて修得できるe-Learningシステム。小・中・高等学校、特別支援学校の教職員を対象に提供される。

高知県が同オンラインプログラムを採用した理由として大崎博澄教育長は、「文科省の調査で(教員のICT活用指導力が)全5分野でワースト6位に入る状況で、逆に5冠を達成した茨城県がICTスキルアッププログラムを導入していることを知って決めた」と説明する。茨城県は、2005年からICTスキルアッププログラムを導入して教職員のICTスキル向上に取り組み、高い成果を上げている。

なお、ICTスキルアッププログラムのオンライン版を採用した背景には、山間地域独特の事情もあるようだ。県土の8割以上を森林が占める高知県では、集合研修を実施するには時間的にも距離的にも問題があった。そこで時間や場所を気にせずインターネットを通じて研修を受けられる同プログラムが選択されたというわけだ。

文科省による「平成18年度 学校に教育の情報化の実態等に関する調査結果[教員のICT活用指導力に関する速報値]」では、教職員の授業におけるICT活用能力や生徒のICT活用を指導する能力など5項目で評価。全項目で茨城県、沖縄県、岩手県が高評価を受ける一方、高知県は2項目で最下位の評価を受けていた。