日本電信電話(以下NTT)と、NTTデータ先端技術(以下NTT-DI)、VA Linux Systems Japan(以下VA Linux)、日本電気(NEC)は5日、企業システム向けOSS(オープンソース・ソフトウェア)ミドルウェア「Heartbeat(ハートビート)」の日本語サイトを公開した。

「Heartbeat」は、障害対応を備えたLinux上で動作するOSSミドルウェア。サービスを提供するシステムに加え、万一に備えた予備システムを保持するような冗長構成を採っているシステム環境において、システムの状態を監視する。障害を検出した場合は、予備のシステムに切り替えることによりサービスを継続させることが可能。

「Heartbeat」の障害対応

今回、公開された「Heartbeat」の日本語サイトでは、コミュニティと協力し、プログラムやインストールマニュアル、設定例などをダウンロードして使うことができるほか、併設するメーリングリストに参加することにより、利用の際の疑問点やバグ情報などを利用者間で情報交換する場を提供する。また、今後のリリーススケジュールや最新のパッチ情報なども掲載され、システム開発/運用を安心して行うことができるようサポートする。

近年、企業の情報システム構築において、コスト抑制やシステム更改の容易性などから、OSSミドルウェアはWebサーバやAPサーバ、DBMS領域を中心に活用が進んでいる。NTT、NTT-DI、VA Linux、NECの4社では、従来よりLinuxやデータベース管理システム PostgreSQLをはじめとする、企業システム向けOSSミドルウェアの普及に向けた独自の取り組みを実施してきた。しかしながら、OSSミドルウェアが利用されていない領域は依然多く、十分に普及しているとはいえないのが現状で、さらなる普及展開を目指し、今回の取り組みに至った。

4社は今後、これまでの基幹系システム構築で培ったミドルウェア開発技術や障害解析技術をもとに、新機能の提供や品質強化試験によるバグパッチのフィードバックなどの機能、および品質の向上面で「Heartbeat」コミュニティに貢献していく。また、コミュニティの活性化に向けて国内外のより多くの企業の利用者や開発者の方々と連携しながら、「Heartbeat」および企業向けシステムで必須となる、その他のOSSミドルウェアの普及展開を推進する。