北京正望諮詢はこのほど、「2007年CIC中国検索エンジン市場調査」報告書を発表した。これは、中国の検索エンジン市場の最新情勢を明らかにしたものだ。

同報告書によれば、2007年9月は前年同期に比べ、国産検索エンジン「百度」が北京、上海、広州の3都市で引き続きシェアを伸ばしている。また、「Google(谷歌)」のシェアは底から抜け出し、やや上昇傾向にある。「雅虎(Yahoo)」と「捜狗」(中国大手ポータルサイト)のシェアは引き続き減少傾向にあり、中国の検索エンジン市場では集中化傾向がより強まっていることが分かった。

北京、上海、広州の3都市におけるシェアは、百度が69.5%、Googleが23.0%、雅虎(「3721」を含む)と捜狗がそれぞれ2.3%と1.8%となっている。

表1 検索エンジンの市場占有率動向

検索エンジン 2006.9 2007.3 2007.9 1年前と
比べた増減
半年前と
比べた増減
百度 61.90% 69.00% 69.50% +7.6 +0.5
Google(谷歌) 24.10% 21.60% 23.00% △1.1 +1.4
Yahoo(雅虎) 5.20% 3.20% 2.30% △2.9 △0.9
捜狗 3.20% 2.00% 1.80% △1.4 △0.2
その他 5.60% 4.20% 3.40% △2.2 △0.8

ここ半年もっともシェアを拡大したのはGoogleで、半年前と比べると1.4ポイント上昇している。これに次ぐのが百度で、0.5ポイントの上昇となっている。一方、半年前と比べシェアの減少幅がもっとも大きかったのは雅虎で、0.9ポイント減。捜狗は0.2ポイント減少した。Googleのシェアの増大は主に学生ユーザーによるものとみられる。

表2 任意の1日の検索エンジン使用状況から定義したシェア

検索エンジン 2006.9 2007.3 2007.9 1年前と
比べた増減
半年前と
比べた増減
百度 60.30% 61.20% 61.80% +1.5 +0.6
Google(谷歌) 25.50% 25.70% 26.90% +1.4 +1.2
Yahoo(雅虎) 4.90% 4.90% 2.80% △2.1 △2.1
捜狗 3.00% 2.20% 2.20% △0.8 0.0
その他 6.40% 5.90% 6.30% △0.1 +0.4

任意の検索エンジンにおける1日の使用状況から定義したシェア(表2)をみると、百度のシェアが61.8%に下降する一方で、Googleのシェアが26.9%に急伸している。

正望諮詢のその他の調査結果によると、百度は中国全土で非常に高いブランド浸透率を持っているようだ。つまり、北京、上海、広州という主要大都市での検索エンジン市場傾向を全国レベルでのそれと比べると、Googleのシェアがより高くなるという傾向が明確に存在する。逆に、全国レベルでは百度のシェアが極めて高くなる。都市圏で強いGoogleというのが、現在の一般的な状況のようだ。

Google中国は過去1年間、とりわけここ半年間に、一連の大胆な現地化対策を行った。調査結果からも、Googleの現地化政策の効果がすでに現れているとみてよさそうだ。アンケート結果でも、「Googleの2007年以来の変化に気付いたか」という設問に対し、58.5%のGoogleユーザーと23.2%の全検索エンジンユーザーが「Googleの変化に気付いている」と答え、うち65.3%のユーザーが積極的な評価をしている。