米GoogleのNewsチームがブログを通じて、Google Newsで試験的にコメント機能を提供することを明らかにした。これはオープンなコメントの場ではなく、書き込み可能な範囲が記事の内容に関係する組織や人物のみに制限される。記事に対する痛烈な反論の場になるという期待、偏った意見が大きく扱われる不安など、実際のサービスが始まる前から様々な意見が出てきている。
コメントを書くには、コメント、ニュース記事のURL、名前/役職/所属などを含む連絡先情報、Eメールアドレスの検証方法などを記したEメールを所定のアドレスに送信する。Googleはコメント送信者の本人確認を最重視しており、より明確に本人であることを証明する情報の提供を勧めている。条件を満たしたコメントは、「Comments」と明示された枠の中で、一切の編集なしに掲載されるそうだ。
読者参加型のニュース収集サービスというと、米国ではDiggが人気である。Diggではユーザーが気になったニュース記事やブログの書き込みなどに投票し、コメントをつけられる。登録すれば誰でも自由に参加できるので、編集者とは異なった視点で選り分けられた情報が集まるのが人気の理由となっている。これに対してGoogle Newsのコメントでは、記事の内容の当事者や関係者または非常に近い範囲に参加が制限される。そのため憶測や推測ではない重みのあるコメントが集まる可能性は高い。しかし当事者だからこそ偏った見方になり、例えば記事に対する中傷や事実と異なる内容のコメントでも、当事者ゆえにニュース記事よりも重んじられるリスクもある。
Googleのブログによると、同社はプロフェッショナルな報道に個人的な視点を組み合わせることで、読者が記事の異なる側面を見いだし、新たなニュース体験につながることを期待している。まずは米国のみで提供し、状況を見ながらサービスの拡大を検討するという。
米国では2008年の大統領選に向けて、共和、民主両党の有力候補者の動きが活発化している。11月のエレクションディがGoogle Newsコメント機能の最初の試金石になりそうだ。