シャープは7月31日、大阪府堺市に最先端の"液晶パネル工場"と、薄膜太陽電池を量産可能な"太陽電池工場"を併設することを発表した。両工場とも着工は2007年11月を予定、可動開始は2010年3月を目処としている。また、同敷地内に関連するインフラ施設および部材/装置メーカーの工場を誘致、"21世紀型コンビナート"として展開していくという。

同社は「環境先進企業」を目標に、省エネの"液晶"と創エネの"太陽電池"を事業の柱として取り組んでいる。この施設拡張および"21世紀型コンビナート"の展開は、その主旨に沿ったもの。「環境のシャープ」としての知名度をいっそう上げていきたい構えだ。

新設する液晶パネル工場は、投資額約3,800億円。主な生産品目は40型・50型・60型クラスの大型テレビ用液晶パネルで、マザーガラスサイズは2,850mm×3,050mm、これは世界初の"第10世代"にあたる。投入能力は7万2,000枚/月(可動当初は3万6,000枚/月)の予定だ。

併設する太陽電池工場は、投資額などはまだ検討中の段階だという。同社はすでに太陽電池生産量で「世界NO.1」を確立しており、薄膜太陽電池も業界トップクラスの発電効率を実現、すでに商品化もされている。同工場ではこの薄膜太陽電池を量産するのが狙い。生産量については、最大限の量産効果が見込まれる年間1,000MW(100万KW)規模を計画しており、世界最大の薄膜太陽電池工場を目指す。

これらを併せ、さらに関連工場を誘致した"21世紀型コンビナート"を展開することで、物流コストの削減化や生産計画などオペレーションの一元化を図る。また、優れた技術力を持つ各メーカーと、同社の技術者との緊密な連携により、新たな技術革新も促進していきたいとする。またTFT液晶と薄膜太陽電池は同じ薄膜技術をベースにしていることから、材料やユーティリティなどの共用化が可能。薄膜太陽電池は液晶技術の応用により、よりいっそうの生産性向上が図れるという。

"21世紀型コンビナート"イメージ(シャープ)