独SAPは7月31日(現地時間)、主力製品「SAP ERP 6.0」向けの機能強化パッケージをリリースした。2回目となる今回のパッケージでは、全体に共通した機能強化と業種別の機能強化を行った。ユーザーは自社の要件にあわせて、機能を選択して実装できるという。

SAPは今年4月、主力ERP製品の名称を「mySAP ERP 2005」「SAP ERP 2005」から「SAP ERP 6.0」に改名した。これを土台となるコア機能として2010年までは安定化させ、機能拡張は年数回リリースする機能強化パッケージで行うという戦略で、顧客は自社のニーズに合わせて最新機能を選択し、実装やアクティベーションを行えるとしている。

今回で2度目のリリースとなる機能強化パッケージでは、コアアプリケーションのアップグレード、プロセスとユーザーインタフェースの簡素化、新サービスが強化点となる。

コアアプリケーションでは、顧客と受注情報へのアクセス、請求書と支払いの簡素化、売掛管理の可視化を強化し、受注から入金までのプロセスを簡素化した。

そのほか、ソリューション別でも機能が拡張されている。財務管理の「SAP ERP Financials」では、経営計画・予測、財務データ統合、課金などを合理化した。また、同ソリューションで提供する最新機能となる、規制遵守管理の「SAP Bank Relationship Management」では、金融機関メッセージングネットワークの「SWIFTNet」との統合により、プロセスの効率化、コストの削減を図れるとしている。

人事アプリケーション「SAP ERP Human Capital Management」では、米Adobe Systemsとの協業により実現したeラーニング環境「SAP Enterprise Learning」が加わった。調達/物流、資材などの業務管理の「SAP ERP Operations」では、営業担当者が顧客情報にアクセスできる新しい役割を追加した。受注管理プロセスを簡素化することで、販売や課金に関する資料を容易に検索できるという。また、「SAP ERP Corporate Services」では、出張費管理、不動産管理、資産管理などでインタフェースを簡素化したり、新機能を加えた。

業種別では、貿易、メディア・エンターテインメント、通信、公益の4業種で機能拡張を行った。よりエンドツーエンドでビジネスプロセスをサポートするという。

SAPによると、SAP ERP 6.0のユーザーは2,800社を数えるという。