ERP大手の独SAPは19日(現地時間)、2007年第2四半期(4-6月期)の暫定決算報告書を発表した。売上高は前年同期比10%増の24億2,000万ユーロ、純利益は同8%増の4億4,900万ユーロ、1株あたり利益は0.37ユーロとなり、前四半期に続く増益増収となった。同社では、第2四半期のコアエンタープライズアプリケーション市場のシェアを26%としている。

売上高は、前年の22億ユーロから10%増の24億2,000万ユーロとなった。このうち、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービス分野の売上げは17億1,000万ユーロで、前年同期比16%増となった。ソフトウェアの売上げは7億1,500万ユーロで、前年同期から18%増えた。数字は為替の変動を受けており、固定為替レート換算では、前年同期より伸び率がさらに増えることになる。

純利益は、前年同期比8%増の4億4,900万ユーロ、1株あたり利益は0.37ユーロとなった。営業利益は、前年同期比10%増の5億7,700万ユーロ、売上高営業利益率は23.8%となり、前年同期の23.9%に比べ微減した。これについて同社は、中規模企業市場向け製品開発に約3,000万ユーロを投資したことが原因としている。

地域別にみると、ソフトウェアの売上げはEMEA(欧州・中東・アフリカ)、日本・アジア太平洋、南北アメリカの3地域ですべて2けた成長を果たした。EMEAは前年同期比22%増の3億5,000万ユーロ、日本・アジア太平洋は同27%増の1億700万ユーロ、南北アメリカは同10%増の2億5,800万ユーロとなった。総売上高は、EMEAと日本・アジア太平洋の2地域で2けた成長となり、南北アメリカでは前年同期比6%増となった。

ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売り上げなどをベースにSAPが独自に割り出しているコアエンタープライズアプリケーション市場における第2四半期のシェアは26%となり、第1四半期の25.1%、前年同期の23%からポイントを伸ばした。SAPでは、6四半期連続でシェアが伸びているとしている。

今年度の見通しとして、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上高は12%から14%の範囲で成長すると予測している。また、営業利益率は26%-27%の範囲を見込むという。

SAPでは、中規模市場を強化するため、今後2年間で3億-4億ユーロの投資を計画しており、今年前半ですでに約5000万ユーロを充当したという。中規模市場については、受注全体に占める事業の割合は増えており32%に達したという。