日本BEAシステムズは、通信事業者向けのサービス供給プラットフォーム「BEA WebLogic Network Gatekeeper 3.0」を発表、7月に出荷を開始する。通信事業者が自社のサービスを他企業に貸し出し、連携することにより、新たなサービスとして事業展開するモデルでの基盤となるもので、既存の固定回線、携帯電話などのほか、検証実験が実施されているNGNやIMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワーク向けの新たなサービスを通信事業者が提供することが可能となる。

「BEA WebLogic Network Gatekeeper 3.0」は、サービスアプリケーションを借り受ける企業と通信事業者のネットワーク基盤との接続を制御する。SIP(Session Initiation Protocol)-IMS統合型アプリケーション・サーバーである「BEA WebLogic SIP Server」、Java EEアプリケーションプラットフォームの「BEA WebLogic Server」を基盤としており、Java EE、Webサービスをサポートする。

「BEA WebLogic Network Gatekeeper 3.0」により提供可能になるのは、ショートメッセージサービス、マルチメディアメッセージサービスの送受信、位置情報サービスなどのような通信Webサービスで、サービスのインタフェースを用意するとともに、サービス加入者の状態情報の管理や課金といった機能を担うほか、サービスの品質を保証するSLA(Service Level Agreement)、通信速度を保証するQoS(Quality of Service)の管理もできる。また、Eclipseベースの統合開発環境をサポートしたSDKと拡張ツールキットが用意され、開発者は、アプリケーションの作成とテストを実行できるとともに、ネットワークプラグインを作成することも可能だ。

このシステムを利用した事例としては、英国の通信事業者であるO2のサービスなとが挙げられる。同社では、ショッピングモールが来店者の携帯端末に「ランチ情報」「広告」などのメッセージを配信するといったことを行っているという。

携帯電話などの通信事業者は、定額制の一般化の影響により、「本業」の収益性が圧迫されていることから、多様な事業モデルを模索しなければならない状況にあり、同社では、これらの事業者が、いわゆるサードパーティー向けに、通信基盤を利用したサービスを供給する形式のビジネスが今後、国内でも広がる可能性があると期待している。