米国の人材管理企業のKorn/Ferry Internationalは、エグゼクティブの約3/4(73%)は「上司よりも自分の方が、現在上司が担当している業務をうまくこなせる」と考えている、という調査結果を公表した。

調査は、同社が「Executive Quiz」として実施したもの。さらに、約2/3(65%)のエグゼクティブは、現在の上司に代わって自分が上司のポジションに就きたいと希望しているという。

その一方で、上司の実力を評価させたところ、42%のエグゼクティブが「優れている(Excellent)」、または「水準以上(Above average)」を選び、「標準的(Average)」という回答は23%に留まった。「水準以下(Below average)」を選択したのは14%で、11%のエグゼクティブは上司の実力を「ひどい(poor)」と答えている。

「上司を信頼するか」という質問には、およそ2/3(65%)のエグゼクティブが肯定の回答を寄せ、「信頼しない」と回答したのは35%だった。

「この結果から、エグゼクティブの多くが自分の実力を過小評価されていると感じていることがわかる」と同社の北米担当社長のBob Damon氏はコメントしている。

どの国においても地位や世代にかかわらず、おおよそ誰しもが「上司は何も分かっていない」と感じているのではないだろうか。特にIT関連業界では技術の進歩や変遷の速度が速いため、上の世代を尊敬するよりは軽視する態度のほうが支配的なのではないかと思われる。ただし、こうした風潮が行き過ぎると社内のモチベーションが下がったりモラルが乱れたりといった弊害も考えられる。部下に上司を尊敬するよう強制することは不可能かもしれないが、適切な評価を公平に行なっていることが社内の全員に浸透するよう努力する価値はありそうだ。

また、実力のある人材には、その能力を活かせるような挑戦しがいのあるテーマを与えることで、社内の人材の有効活用ができると思われる。ITベンチャーには自由奔放な社風で大きな成果を上げたと言われる企業も多いが、そうした企業の人材活用方針から学べることも多いのではないだろうか。