5日(米国時間)、オープンソースのSCAランタイム「Apache Tuscany」の新バージョンである0.90がリリースされた。以前のバージョン番号は「1.0-incubator-M2」であったため、一見して新しいバージョンとは分かりにくい。
Apache Tuscanyは、SOAベースのコンポーネント指向プラットフォーム「SCA(Service Component Architecture)」をオープンソースで実装するためのプロジェクト。SCA仕様の実装を目指すオープンソースプロジェクトとしては、他にも「Fabric3」や「Newton」などがある。SCAについての詳細はこちらの記事を参照していただきたい。
今回のリリースは、2007年3月に完成したSCA仕様1.0に完全準拠するための重要なマイルストーン。前バージョンとは、APIやサンプルの動作方法などがかなり変わっているので要注意だ。
今回の変更点としては
- SCA1.0のJavaインプリメンテーション仕様に完全準拠
- Ruby、Python、Groovy、JavaScriptを使用してコンポーネントの実装を行うことが可能に
- バインディングにAxis2、RMI、JSONRPCを使用することが可能に
- データバインディングにAxiom、JAXB、SDOを使用することが可能に
- TomcatやJettyなどのアプリケーションサーバ上で、RMI、もしくは他のアプリケーションの一部として実行できるように
- バイナリの配布物内に、Ant/Mavenでビルド/実行可能なサンプルも同梱するようになった
- Tuscany APIについてのJavadocが提供された
といったものが挙げられる。
特に、SCA1.0のJavaインプリメンテーション仕様に完全準拠したのは大きい。サンプルの実行方法も非常にシンプルになったので、READMEファイルを参照しつつ試してみることをお勧めする。