マイクロソフトとF5ネットワークスジャパン(以下、F5)は29日、「Microsoft System Center Operations Manager 2007」をF5の管理アプライアンス「ControlPoint」に統合して提供することを発表した。この協業は、2007年3月に両社が米国で締結したアライアンス(OEM契約)を受けてのもの。F5デバイスが接続されたネットワーク上でSystem Center Operations Manager 2007を利用できるようになるため、デバイス上のあらゆるアプリケーションの可視化が実現されることになる。ControlPointは2007年末にスタンドアロン製品およびマネジメントパックとして提供が開始される予定。

System Center Operations Manager 2007は、2007年4月から提供されている包括的サービス監視ソリューションで、ネットワーク上のデバイス稼働状況やOS/アプリケーションのイベント、パフォーマンスを監視し、障害防止および復旧支援機能を備えている。ControlPointに同ソリューションを組み込むことで、F5デバイスで構築されたアプリケーションデリバリネットワーク上のすべてのイベントが可視化され、管理者は状態を常に把握可能になる。

2007年1月にリリースされたF5の「Enterprise Manager」との違いは、Enterprise MangaerがF5デバイスの集中"管理"を行うセントラル管理ソリューションであるのに対し、ControlPointはデバイスの集中"監視"ソリューションであること。アプリケーションのパフォーマンスモニタリングやレポーティングに機能が特化しており、たとえば、ネットワーク上で異常を発見した際、アラートや詳細なレポートを出すことは可能だが、システムを止めることはできない。F5ネットワークスジャパン シニアプロダクトマーケティングマネージャ 武堂貴宏氏は「Enterprise ManagerとControlPointを組み合わせて使えばより包括的な管理/監視ソリューションを提供できる」という。

マイクロソフトのサーバプラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ シニアマネージャの古川勝也氏は、F5とのSystem Center Operations Manager 2007に関するOEM契約について「F5はアプライアンスベンダとして唯一、マイクロソフトのGrobal ISV Partner Programのメンバーであり、MS製品のアプリケーション配信を最適化するソリューション"Application Ready Network"を提唱している」とし、アライアンスパートナーとしての信頼性の高さを強調する。また、F5の武堂氏は「アプリケーションを配信するネットワークでは、いかに"最適"に配信するかが最も重要。"最適"とは"安全" "高速" "安定性"の3つで成り立っており、どれかひとつが欠けても意味をなさない。F5ファミリにControlPointが追加されることで、可視性が高められ、より"最適化"されたソリューションを提供できるようになる」と語っている。