11日~13日までの3日間、東京ビッグサイトにおいて液晶やプラズマ、有機ELといったフラットパネルディスプレイ技術についての展示会「Display 2007」(第3回 国際フラットパネル ディスプレイ展)が開催されている。主催はリード エグジビション ジャパン。コンシューマ製品に加え、産業用途や組み込み機器向けのディスプレイも多数展示されている。
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直射日光にさらされる環境でも使える液晶ディスプレイ - NEC
NECのブースでは、NEC液晶テクノロジー製の直射日光下でも使用できる低温ポリシリコンTFTカラーディスプレイなどを展示した。同社独自の「SA-SFT」(Advanced-SuperFineTFT)と呼ぶ広視野角で高速応答、高輝度、広色度域、高精細のための技術と、「ST-NLT」(Super-Transmissive Natural Light TFT)と呼ぶ高輝度バックライトを光源とすることで外光の表面反射を抑制する技術を組み合わせることにより、実現しているという。さらに、SR-NLT(Super-Reflective NLT)と呼ぶバックライトのON/OFFにより、ON時の「透過モード」と、OFF時の周辺光を光源とする「反射モード」を使い分けることで、低消費電力化が図れる。
直射日光の当たる街頭モニタや自動販売機、自動券売機、ガソリンスタンド用POS端末などでの利用を見込んでいるという。
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バックライトをONにした状態。暗闇でもはっきり表示される |
強い光にさらされても、画像をしっかり見やすく表示できる |
蛍光表示管ディスプレイ - 双葉電子工業
双葉電子工業のブースでは、蛍光表示管ディスプレイ関連製品を展示した。その中でも来場者の目を引いていたのが、参考出品された蛍光表示管を使った「HUD」(Head Up Display)。輝度は40000cd/m2で、128×64ドットを表示できる。
HUDは車や飛行機のフロントガラスに速度などの情報を写し出すもので、現在、液晶を利用したものが出荷されている。同社によると、蛍光表示管を利用したものは、同社が今回参考出品したものが初めてだという。蛍光表示管を利用することで、小型化が図れるという。
なお、ガラスに直接映し出すと、屈折の関係で二重に表示されてしまうため、実際にはガラス表面に反射する物質を塗る必要があるという。
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蛍光表示管を利用したHUD。ガラス面に速度(95km/h)を表示させるデモのようす |
多点認識機能付きタッチパネル - イーアイティー
イーアイティーのブースでは、赤外線イメージセンサを利用したタッチパネルを展示した。光学ユニット内に収められたカメラで赤外線を監視し、ディスプレイ上に物などが載せられると、その影をカメラが感知し、三角測量で(x,y)座標を検出するという方式を採用している。この方式により、複数点の同時認識が可能となる。触った指の数に対して異なる動作を割り当てるアプリケーションなどを開発すれば、応用範囲を広げることができるという。なおこのセンサは、15~250型までのディスプレイに対応することができる。
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赤外線イメージセンサを利用したタッチパネル。多点認識機能が付いている |
そのほか、フラットパネルディスプレイの開発や製造を行うための関連製品を展示した「FINETECH JAPAN」や、製造するための部品や材料を展示した「FPD部品・材料 EXPO」も本展示会と同時開催されている。合わせて656社が出展した、大規模な展示会となった。主催であるリード エグジビション ジャパンによると、ディスプレイ業界では世界最大規模の専門展示会であるという。




