連載形式でお送りしている「大人の自由研究企画」。今回も前編に引き続き、ウェザーニューズの自由研究企画をお届けする。後編では、前編で紹介した花粉自動観測器「ポールンロボ」を用いた調査から見えてきた、花粉症の地域差や男女によって異なる症状についての結果を中心にお伝えしていこう。

ウェザーニューズは、「花粉症の人たちの役に立ちたい!」という想いから、2005年に「花粉プロジェクト」を立ち上げた。そこで開発されたのが、前編で紹介したかわいい見た目をしている「ポールンロボ」だ。日本で唯一の花粉の自動観測器として、ウェザーニューズ上でのきめ細かい花粉予測に役立てられている。

今回の自由研究では、ウェザーニューズが2022年に全国のウェザーニューズアプリ会員に向けて実施したアンケート結果を用いて、考察してもらった。ここからは、ウェザーニューズによる考察を紹介していく。

花粉症をひも解く5つのポイント

今回の自由研究では、以下5つの質問に回答してもらった。

1.あなたは花粉症ですか?
2.花粉症で最も症状がつらいのは?
3.花粉症の症状が1番辛い時間帯は?
4.花粉症対策にかける金額は?
5.マスク以外の花粉症対策

ウェザーニューズが2022年に自社アプリ会員を対象に実施したアンケートによると、「花粉症です」と答えた人は、男性43%、女性56%となっており、男性よりも女性の方が多い結果となった。

それに加え、花粉症な気がすると答えた人の割合も含めると男女共に約半数以上となり、いかに花粉症が社会現象並みに拡大しているかが分かる。

それでは、都道府県別で見ると、花粉症の発症状況はどうだろうか。下の図で確認してみてほしい。

この図から、花粉症であると答えた人の割合は、日本海側よりも太平洋側に多く、特に関東甲信越近郊で高いことが分かる。ランキングは以下の通りだ。

~花粉症発症率が最も高い順~
1位:山梨県(62.3%)
2位:静岡県(58.6%)
3位:埼玉県(55.7%)

山梨県は、47都道府県で唯一60%超えの62.3%という結果となった。

上記を踏まえ、下の「ポールンロボが観測した花粉飛散の平均値をもとにしたデータ」も確認していきたい。花粉発症率上位の関東甲信越、東海、近畿は、ポールンロボによる花粉の飛散量観測でも同様に、赤色で示されている通り、花粉飛散量が多い傾向があることが分かる。

つらい花粉症の症状と症状がつらい時間帯は?

花粉症の時期になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、つらい花粉症の症状に悩まされる機会が増える。そこで、ウェザーニューズでは花粉症の症状に関しても調査を実施した。

ほぼ半数の47%が鼻の症状を訴え、次いで目の症状(40%)を訴える人が多い結果となった。筆者も花粉症持ちだが、この2トップの症状には毎年苦しめられているため、結果に納得感がある。

また次の図は、症状が一番つらい時間帯を表している。結果からは、男女による差はあまり見られず、男女ともに昼間が最もつらいという結果となった。

環境省の資料を基にしたデータからも、花粉が最も多く飛散するのは14時ごろで、そこがつらさのピークであることが分かる。つまり、男女ともに昼間が最も辛いと感じる人が多いのであろう。

花粉症対策にお金をかけるTOP5、1位は「埼玉県」

ウェザーニューズでは最後に「花粉症対策にかける金額」というユニークな調査も行った。

下図は、花粉症対策に費やした金額を都道府県別にランキング化した結果である。結果から、トップ5は関東甲信越が占めており、先述した花粉症発症率の高い都道府県がそのまま花粉症対策にかける金額も多くなっていることが言えるのではないだろうか。

一方でワースト5となった都道府県は、日本海側を中心に、花粉飛散量、発症率ともに低い都道府県がランクインする結果となった。ちなみに全国の平均金額は、2,104円であった。

  • ※500円単位から、1万円までの幅で回答してもらった

今回、筆者ら10万人突破企画の【大人の自由研究】チームの3人でウェザーニューズへの取材を敢行したが、メンバー全員が花粉症であるからこそ、今回の自由研究結果を通して花粉症博士になれたような、そんな取材であった。

花粉症は今や、春や秋の季節にはテレビや街中で頻繁に取り上げられる国民全体の関心事なのではないのだろうか。 ウェザーニューズの「花粉プロジェクト」は、そんな花粉症に悩む人々の助けになっているのだろう。そして、前編で紹介したポールンロボの存在も忘れてはならない。

  • ウェザーニューズ 広報担当 中村好江氏

今井理央

2022年にマイナビへ新卒入社。入社から現在まで、TECH+での広告施策・リードジェネレーションのソリューション営業を担当。10万人突破記念企画プロジェクトにおいては、大人の自由研究企画をメインに携わっており、記事の執筆は本企画が初となる。「ITとテクノロジーの可能性」について日々勉強中。趣味はカフェ巡りとお散歩。