ウイルス対策ソフトのESET HOME セキュリティ エッセンシャルは評判が良く、価格.comの売れ筋ランキングでも常に上位にランクインしています。
特に目立つのが、「動作が軽い」という口コミ。
この記事では、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルを実際に使用して計測した各数値を公開していきます。
併せて製品の各種情報を詳細にまとめていきますので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
ESETセキュリティソフトの特徴
まずは、ESETの概要について確認しておきましょう。
一般的に、ESETは以下のような特徴を持ったセキュリティソフトと言われています。
- 動作が軽い
- 防御性能が高い(AV-TESTで高評価)
- 料金が安い
それぞれの詳細は、以下の通りです。
動作が軽い
「動作の軽さ」は、ESETの口コミで最も多く見られる評価です。また、ESET自身も公式HPでアピールしているポイントでもあります。
ESETシリーズのご先祖様とも言えるウイルス対策ソフト「NOD32アンチウイルス」は、アセンブリ言語でプログラムが書かれていました。
アセンブリ言語は「低級言語」などとも呼ばれ、人間には理解しにくくプログラムを記述するのも難しいのですが、その分コンピュータには近く、プログラムをコンパクトにまとめて高速で動作しやすいソフトウェアを作れるという特徴があります。
現在のESETシリーズにそのようなコードが残っているかは分りませんが、動作の軽快さやプログラムのコンパクトさ(≒メモリ消費の少なさ)は製品のDNAとして受け継がれています。そういった開発上の工夫等が「ESETは軽い」という評判に繋がっているのでしょう。
今の情報端末は、パソコン・スマートフォンなどすべてが非常に高い性能を持つようになりました。
デスクトップパソコン用の最新CPUであればエントリークラスの製品でも4コア、メインストリームクラスでは6コア製品がごく普通という状況に。動作クロックも4GHzが当たり前の世界です。セキュリティソフトが一般化した頃とは動作環境が全然違います。
つまり、多少作りが甘くてもソフトの重さにほとんど気づかない環境になっているのです。
そんな中でもESETシリーズのセキュリティソフトはその軽さを特徴の一つにうたう製品です。「動作の軽さ」という項目は、ESETシリーズの血統のようなものと言えるでしょう。
AV-TESTで最高評価の防御性能
セキュリティソフトを評価する第三者機関の代表格であるドイツのAV-TESTで、ESETシリーズは高い評価を受け続けています。
2021年8月から2021年12月までの3回のテストはすべて18点満点で17.5点以上(評価は0.5点単位)。
2021/8 | 17.5/18pt |
2021/10 | 18/18pt |
2021/12 | 18/18pt |
このテストの最高評価である「AV-TEST TOP PRODUCT」の称号を受けています。
実際の防護力の高さも折り紙付きで、GoogleのブラウザChromeのクリーンアップツールに同社の検出技術が使われているほど。
また、Google Playストアに収録されるアプリの安全性向上のためのアライアンスにも参加し、セキュリティ関連技術を提供しています。
料金が安い
トップクラスの防護性能、デバイスに無用な負担をかけにくい軽い動作を実現した製品ながら、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルは割安感のあるプライスタグが設定されています。
特に、利用期間が長く複数デバイスで利用可能なライセンスは、コストパフォーマンスが非常に高い価格設定です。
1ヶ月 | 1台 | 330円 |
5台 | 550円 | |
1年 | 1台 | 4,980円 |
3台 | 6,160円 | |
5台 | 7,480円 | |
3年 | 1台 | 6,600円 5,940円⇒5,600円※ |
3台 | 8,250円 | |
5台 | 9,900円 7,800円⇒7,400円※ |
※赤字は、ESETストア限定のキャンペーン価格です。
※料金は税込です。
メジャーどころのセキュリティ製品で3年5台版クラスのライセンスになると、料金相場は1万円を超えてきます。それに対して、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルの価格は9,900円(税込)。1台あたりの年間費用が660円(税込)~と、非常にリーズナブルです。
さらに、不定期ではありますが年に何度かかなり割安に購入可能なセールが行なわれます。こちらもしっかりウォッチしておきたいですね。
現在も、最大で21%OFFのセールが開催中。1台あたり年間520円(税込)を実現しています。
速さは評判通り?実機で検証してみた
ここからは、ESETの最大のうたい文句である「動作の軽さ」が実際にどの程度なのか、実機で検証した結果を公開していきたいと思います。
使用した実機は、セキュリティソフトの処理に影響を受けやすいロースペックなノートPCです。
インストールしたマシンのスペック
テストに使ったノートパソコンは、3万円ちょっとで購入できるお手軽マシンです。
CPUはインテルの第7世代のCoreプロセッサと同じアーキテクチャを採用したCPU、Celeron 3867U(デュアルコア、最大1.8GHz動作)。メインメモリは4GB。内蔵ストレージはSATA3接続のSSDです。
OSはWindows 10 Pro、2021年春の大規模アップデートを適用しています。
性能的にはオフィスワークとWeb巡回、軽いゲームぐらいなら問題なく動きますが、高解像度の写真のリタッチ、動画編集などにはパワー不足な機種と言えるでしょう。
最新のハイパワー過ぎるPCだとセキュリティソフトの性能差はほとんど体感できなくなってしまいますから、「ほどほどにローパワー」なこちらのマシンにESETをインストールして性能等々をチェックしました。
スキャンの性能
まずは、ESETのスキャン性能をテストした結果を公開します。
スキャン対象は、容量10GB、圧縮書庫や動画、写真データなど複数の形式のファイルを含むフォルダ。通常のスキャンと、フルスキャンを実行しています。
比較のために、Windowsマシンに標準装備されている「Windows セキュリティ」でもスキャンテストを行いました。
通常のスキャン結果
まず、対象フォルダを通常スキャンした際の結果がこちらです。
↓↓ESET:46秒↓↓
↓↓Windows セキュリティ:51秒↓↓
差は5秒で、10%ほどESETのほうが高速という結果になりました。
フルスキャン結果
次に、フルスキャンの結果がこちらです。
↓↓ESET:8分51秒↓↓
↓↓Windows セキュリティ:29分51秒↓↓
フルスキャン時の性能差が顕著
単純なスキャン性能でも、しっかりと性能差が出ています。
特に、フルスキャンでの経過時間の差は圧倒的です。
正直ここまでの差が出るとは思っていませんでしたが、インストーラーなど多数のファイルがパッケージ化されて圧縮されたファイルがそれなりの数ありますので、そのあたりの処理方法・性能の違いでスキャン性能に差が出ている可能性がありそうです。
メモリ使用量の少なさ
ESETがスキャンを実行している最中に、メモリ使用量がさほど増えない点も好印象です。
アイドル時と比べてメモリ使用量が増えていますが、その量は100MB~200MBほど。放置してPCがアイドリング状態となった際のメモリ使用量も少なめです。
今回テストに使ったようなミニマムスペックのPCの場合、搭載メモリがギリギリであることが多いため、メインメモリをあまり圧迫しない点は使用感の良さに繋がります。
Windows 10はマルチタスクOSのため、バックグラウンドで動作している処理はユーザーから見えません。そのため、動作条件を完全にイコールにすることは極めて困難なのですが、しばらく使ってみた感覚として、メモリ使用量に関してもESETのほうがWindows セキュリティより確実に軽くなっている印象です。
起動後の「もっさり感」が少ない
テスト機はOSをSSDにインストールしているためHDDを使う機種よりかなりマシではあるものの、やはりローパワーな分、Windows 10起動後に数分程度動作がもたつく時間があります。
Windows セキュリティからESETに切り替えたあと、この動作のもっさり感が改善された感触がありました。完全に定常状態に至るまでの時間は変わらないと思いますが、そこまでの間のレスポンスが改善されています。
感覚的なお話になるのでキッチリしたエビデンスはありませんが、起動直後の重さ由来のストレスは減っていると感じます。
セキュリティソフトに「軽さ」を求める方の期待に、十分応えていると言えるのではないでしょうか。
ESETセキュリティソフトの防御性能について
AV-TESTで行なわれているテスト内容から、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルの防護能力をもう少し具体的に見てみましょう。
ゼロデイ攻撃に対する防護
セキュリティソフトは日進月歩ならぬ「秒針分歩」の勢いで進化を続ける脅威に対応するため、各種の処理内容等を日々進化させ続けています。このようなセキュリティを巡る状況に対応させるため、AV-TESTでは詳細な評価を継続して実行中。もちろん、テストの内容もアップグレードし続けています。
情報端末への攻撃手段の代表格である「ゼロデイ攻撃」に対するテストでは、ESETは2023年1月、2月とも十分に高い検出能力を示しました。それ以前まで範囲を広げても非常に高い検出能力を誇っています。
多用されるマルウェアに対する防護
さらに、AV-TESTでは多用され感染が広まっているマルウェアに対する防護能力の評価も行なっています。これは直近4週間の脅威の傾向を反映したもので、新しい脅威に対する対応の正確さを評価するという項目です。
こちらのテストでは、ESETはすべてのポイントにおいて100%の検出能力を発揮。確実な防護性能が証明されています。
誤検出の評価
AV-TESTは、正当なWebサイト・ソフトウェアを誤って危険なサイト、マルウェアと判断しないかのチェックも行なっています。
こちらの評価でも、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルは非常に高い評価を獲得。2023年のテストでは「誤検出はわずか1件のみ」でした。それ以前の期間もとても安定した挙動を示しています。
直接の防護能力評価に比べると若干地味に感じるかもしれませんが、実使用上の使い勝手にかなり大きな影響がある内容です。
ESETというと、どうしても軽さに目が行きがちですが、防御性能に関しても申し分ないと言って良いでしょう。
安さも魅力!ESETセキュリティソフトの料金プラン
上記でも紹介した通り、ESETシリーズの料金は他のメジャーなセキュリティソフトに比べて安めに設定されています。
1ヶ月 | 1台 | 330円 |
5台 | 550円 | |
1年 | 1台 | 4,980円 |
3台 | 6,160円 | |
5台 | 7,480円 | |
3年 | 1台 | 6,600円 5,940円※ |
3台 | 8,250円 | |
5台 | 9,900円 7,800円※ |
※赤字は、ESETストア限定のキャンペーン価格です。
※料金は税込です。
おトク度が高いのは3年5台版
全体的にリーズナブルな価格設定ですが、最もコスパが高いプランは、期間が長く利用可能な台数が一番多い3年5台版です。他のメジャー製品が同等の条件で軒並み1万円を超える中、9,900円(税込)で利用可能なのはとても魅力的です。
1台3年版も6,600円(キャンペーン適用で5,940円)で利用可能と、競合製品と比べて割安な設定。
パソコンだけでなくスマートフォンを併用する人がほとんどでしょうから、複数デバイスにインストール可能なライセンスも無駄にはならないのではないでしょうか。
家族での共有も可能ですので、ぜひお得にESETを利用してください。
30日間の無料体験版も利用可能
上記で触れた無料体験版は、ESETにも用意されています。
30日間と期間は限定されますが、機能に制限はありません。まずは無料体験版で実際の動作を試し、納得のうえで本契約へと進むのも一つの方法ですね。
ESETの場合、体験版をアンインストールすることなく製品版に引き継げるため、以降もスムーズです。
ESETのメリット・デメリット
ここまででESET HOME セキュリティ エッセンシャルの使用感や機能・性能面などの詳細をご紹介してきましたが、改めてESETのメリットとデメリットを総括しておきましょう。
メリット
他製品と比較して、ESETのメリット、ストロングポイントとして挙げられる代表的なものは、次の3点になると思います。
- 軽さ
- 導入コストがメジャー製品の中で最安級
- 分りやすいUI
もちろん、セキュリティソフトの肝心要な機能となる防護性能においても、第三者機関による評価でも高い水準を維持し続けています。
ただし、現在の主要セキュリティソフトはどれも同レベルの非常に高い防護能力を持つようになっていますので、その観点での差別化は難しいです。
つまり、今ではセキュリティソフトの「防護性能が高いのは当たり前」。ESETの防護性能も、もちろん他のセキュリティソフトに引けを取りません。
その前提を満たしたうえに、軽く、使いやすく、導入しやすいセキュリティソフトと言うことですね。
デメリット
逆に、ESETシリーズの弱点となる特徴もまとめます。
- 迷惑メール対策機能の対応メーラーが少ない
- ホームネットワーク保護機能と相性の悪いルーターがある?
PCユーザー的には不思議な部分ですが、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルはそれなりにシェアがあるメールソフトThunderbirdに何故か対応していません。導入の際にはお使いのメーラーとの兼ね合いを考える必要があります。
また、ESET特有の機能であるホームネットワークの監視機能とコンフリクトを起こすルーターがあるようで、上手くネットワーク接続が出来ないデバイスが出るケースもある模様。
導入前の確認は難しいですが、ESETを導入したあとに何か自宅LANでの不調の兆候がある場合にはこちらの観点も意識した方がよいかもしれません。
この点も含め、まずは無料体験版で使用感を確認してみることをおすすめします。
ESETセキュリティソフトはこんな方におすすめ
ここまでお伝えしてきた様に、基本的にESETシリーズはどんなユーザーに対してもおすすめできるセキュリティソフトです。
中でも、以下のどちらかに当てはまる人には、特におすすめできますよ。
- 初心者
- 比較的低スペックのPCをメインで使っているユーザー
ESETは非常に整理された分りやすいインタフェースを採用しているため、この手のソフトに不慣れなPC初心者であっても、直感的に使いやすくなっています。
また、PCにかける負荷が軽めでメモリ消費も少ないので、エントリークラスのロースペックなマシンでも利用しやすいでしょう。
こんな方には向いてないかも
基本的にどんなユーザーでも問題なく使用できるセキュリティソフトですが、唯一著者が気になる点は、対応メールアプリの数が少なめに見えるところでしょうか。Thunderbirdに未対応というのは割と大きなポイントになりそうです。
このメーラーが必須、代替ソフトじゃダメ、といったユーザーは、ESETシリーズには向いていないかもしれません。
まとめ
この記事を執筆するにあたり実際にESETをインストールしてサブPCで稼働させ続けていますが、使用感はとても良好です。ローパワーなPCなのでWindows 10起動直後は若干動作がゆったりとした時間があるのですが、その時間帯での「もっさり感」が改善している感触があります。
非常に分かりやすく整理されたダッシュボードの操作感にも感心しました。
スマートフォンやパソコンで利用するサービスの多くがインターネットに常時接続すること前提となっている現在、セキュリティソフトはその存在感・必要性をどんどん高めています。
メジャーな製品達が機能や性能面で競争を繰り広げていますが、ESET HOME セキュリティ エッセンシャルは価格と機能・性能の両面に優れたコスパの良いセキュリティソフトと言えるのではないでしょうか。
30日間の無料体験版も用意されていますので、ぜひ使用感を試してみてください。