夏がやってきます。今年も、暑くなりそうです。時計好きにとっては、革ストラップの時計が楽しみにくい季節に突入します。そこで今回は、水や汗に強い「ダイバーズウォッチ」の定番モデルをピックアップ。これを選べば間違いないという3本で、半袖で出歩くことの多い夏の腕元を華やかに彩りましょう。
国産の大定番「セイコーダイバーズ」
国産の腕時計ブランドには名作といわれるダイバーズウォッチがいくつかありますが、その中でも外せないのはセイコーウォッチが手掛けた国産初のダイバーズウォッチ「セイコーダイバーズ」でしょう。初めて登場したのは1965年、今年で60周年の節目を迎えています。
これまで4度にわたって南極観測越冬隊の装備品として採用された実績からも、品質の高さが伝わってきます。
今回紹介する「1968ダイバー」は、国産初のダイバーズウォッチが登場してから3年後の1968年に、10振動ハイビートムーブメントを搭載し、裏蓋のないワンピース構造のケースによって300m防水を実現したモデルです。その最新モデルである「SBEJ009」(グリーン)と「SBEJ011」(ブラック)は、防水性こそ200m(空気潜水用防水)ですが、GMT機能(第2時間帯表示機能)を備え、3日間のロングパワーリザーブを実現しています。
ダイヤシールドコーティングが施されたステンレススチールケースと傷に強いセラミックス製の回転ベゼルが光の加減で輝き、腕元に華やかさを演出してくれます。本体重量は約176g。ダイバーズウォッチとしては重すぎることもなく、装着感は良好です。本格的なダイビングにも対応しながら、価格以上の高級感&所有感が得られるのも大きな魅力です。
執筆時点(2025年5月)での価格は21万8,900円と、本格機械式腕時計としては買いやすいのも嬉しいところですね。
190年以上の古参ブランドが放つ伝説的ダイバーズ
次に紹介する定番ダイバーズウォッチは、ロンジンの「レジェンドダイバー」です。
ロンジンは1958年に一般向けダイバーズウォッチを発売しました、翌年には水中探査用にスーパーコンプレッサーケースを採用。回転ベゼルをダイヤル外周に内装することでスッキリとしたデザインに仕上げました。そのDNAを継承する最新モデルが「L3.764.4.90.6」(ブルー、ブラックはL3.764.4.50.6)です。
最大の魅力は、39mmというやや小振りなケースと深海を思わせるラッカー仕上げのブルー文字盤でしょう。ドーム型サファイアクリスタルガラスで覆われた風防(文字盤を覆うガラス)と7連コマのブレスレットという組み合わせにより、クラシックな印象が際立っています。
クラシカルながら最新のスペックを備えている点も魅力です。ダイバーズウォッチの基準を定めたISO 6425認定を取得し、30気圧防水、C.O.S.C.(スイス公式クロノメーター検定機関)が定めるクロノメーター認定も取得し、申し分のない性能を実現しています。
ケースが小振りで装着感がよく、文字盤はシンプルで視認性も良好。使用シーンを選ばないのも魅力だと思います。価格は52万6,900円です。
世界的な人気ブランドの定番ダイバーズ
3本目はオメガの大定番「シーマスター」をご紹介します。1948年に登場して以来、同社のアイコン的な存在です。その最新モデルは、ブラックのダイヤルとミラネーゼブレスを採用したクラシカルな意匠のダイバーズウォッチ「シーマスター ダイバー300M」です。
昨今の小径化というトレンドからすると、ケースサイズ42mmは大きいと思われがちですが、腕に装着してみると決して大きく感じることはありません。ミラネーゼブレスが腕に吸い付くような、見事なフィット感を実現しています。厚みがあり、決して軽い時計とはいえませんが、不思議と装着感がいいのは、これまでも色違いなどで登場してきたシーマスター ダイバー300Mシリーズの特長といえるでしょう。
本モデルはISO 3159認定とマスタークロノメーターを取得していて、スペックと精度は折り紙付きです。デザインはシンプルで視認性良好。2021年公開の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で主人公がチタン素材の同モデルを装着していたことでも話題となりました。映画とはいえ、激しい任務にも耐えうるスペックを有していることは確かです。
価格はミラネーゼブレスで100万1,000円、ラバーバンドで94万6,000円。ご購入の際には、ぜひ両方を試着して装着感を確認してください。個人的には、軽くて装着感も高いラバーバンドをオススメします。