経団連がまとめた「2024年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」を見ると、昨年夏の大企業のボーナスは平均支給額が94万円だったそうです。今年はトランプ関税や世界情勢などの影響で減ってしまったかもしれませんが、90万円くらいはゲットできたとして、「全額投入しても後悔しない時計」を考えてみました。
クラシックカーの雰囲気が漂う1本
ここ最近の時計業界では、過去の傑作を復活させる動きが活発になっています。1884年に創業したスイス時計界きってのクロノグラフの名門「ブライトリング」でも、過去の傑作が復活を果たしました。
ブライトリングといえば航空業界との関わりが深く、「時計ではなく計器」「プロのための計器」という理念のもと、すべての製品で「C.O.S.C.公認クロノメーター」を取得し、パイロットが使うストップウォッチ、コックピットウォッチなどを手掛けてきました。
ロレックスやオメガより知名度は低いものの、1915年にクロノグラフ専用のプッシュボタン付き腕時計を世界で初めて発表して以来、クロノグラフウォッチの先頭を走ってきたブライトリング。1952年には同社を代表する、いや時計界を代表する傑作「ナビタイマー」が登場しました。腕時計外周にあるメモリを回転させるだけで、掛け算(ドル円の換算など)や割り算(時速、到着時間、走行距離の算出など)ができる航空計算尺を搭載しています。パイロットが消費燃料の残量などをはじき出せるため重宝され、絶大な支持を集めました。
そんなブライトリングから2025年に登場したのが「トップタイム レーシング」です。発表に合わせて同社CEOのジョージ・カーン氏は、「トップタイムは大胆なクロノグラフとして知られています。1960年代のクラシックなデザインに現代的なアレンジを加え、本来の姿であるレースの時計とスピード計測に立ち返りました」と語っています。
トップタイム レーシングは、クッション型のケースに大胆なタキメーター目盛り、四角でも丸でもない独特な形状のサブダイヤルが自動車の計器類を連想させます。過去のトップタイムのアーカイブから着想したというダイヤル中心の楕円形は、自動車のダッシュボードをモチーフにしているそう。革のストラップと合わせることで、クラシックカーのような雰囲気が漂う1本となっています。
ムーブメントはパワーリザーブ約70時間を有する自社製キャリバー「ブライトリング01(マニュファクチュール)」を搭載。クラシックな見た目ながら10気圧防水を確保しており、実用面でも不安なく使用できます。ケースサイズは若干小振りな38mm。
実機を確認しましたが、写真で見る以上に色のバランスがよく、ブラック、グリーン、ホワイト(ブルー)のいずれのモデルを選んでも間違いないという印象でした。価格は107万8,000円ですから、ボーナスに少しだけ貯金を足していただければ、手が届くプライスとなっています。
4年をかけて開発したムーブメントを採用
もう少し予算を抑えたいなら、同じくブライトリングの「トップタイム B31」もおすすめです。
こちらはクロノグラフを排したシンプルな3針モデルで、ムーブメントには4年をかけて開発した時刻表示専用キャリバー「ブライトリング31(マニュファクチュール)」を採用しています。もちろん10気圧防水、パワーリザーブ約78時間で日常使いにも最適。ケースサイズは38mmで装着感も良好です。
カラーはブルー、ホワイト、グリーンの3色展開で、パンチングレザーのストラップ(81万9,500円)のほかメタルブレスレット(86万9,000円)も選べます。メタルブレスレットを買っておいて、あとから好みのレザーストラップを選べば、追加の出費が抑えられるでしょう。
汗をかきやすい夏の時期はメタルブレスレット(もちろん冬でもOK)で過ごして、冬になったらレザーストラップに付け替えれば、季節ごとの装いに合わせていろいろと楽しめると思います。
ここで紹介したトップタイム レーシングは、長く愛用できる本格的な機械式腕時計でありながら、王道ではなく他とはちょっと違う1本、個性を演出できる1本として選ぶにはもってこいでしょう。ただ、文字盤のデザインは好みが分かれるのも事実。もう少しシンプルかつ無難にいきたいのであれば、トップタイム B31の方がいいかもしれません。とはいえ、店舗で試着してみることをおすすめします。