価格上昇が続く金。投資の意味も込めて、金を持ってみようかと考えたとき、どんな「形」を選ぶのがベストなのでしょうか? インゴット? ジュエリー? ETF? はたまた仏具? いろいろな金の形を考えてみます。
金は「持ち方」で意味が変わる
人類の歴史の中で、金は常に特別な存在でした。
国の財政を支え、王侯貴族の権威を象徴し、そして庶民にとっても「いざという時の備え」として受け継がれてきました。
「金を持つ」と聞けば、インゴット(地金)や金貨などの実物を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし現代では、ETF(上場投資信託)や純金積立といった金融商品で保有する方法も広がっています。
つまり金は、実物としての魅力と金融商品としての利便性を兼ね備えた、多様な持ち方ができる資産なのです。
インゴット - 王道の資産保全
金投資の王道といえば、やはりインゴットです。
1kgバーや100gバーなど、純度99.99%の金塊は、シンプルに「金そのもの」を持つ安心感があります。
最大のメリットは換金性の高さ。
地金商や貴金属店に持ち込めば、ほぼ純粋に相場に応じた価格で買い取ってもらえます。
ただし実際に所有すると、「意外と使いにくい」という一面も。
例えば1kgインゴットを持っていても、一部だけを売ることはできません。
また、売却時に利益が出れば、譲渡所得として課税対象になる場合もあります。
インゴットは「資産保全の象徴」としては最適ですが、使い勝手の面では小回りが利かないことも覚えておきましょう。
ジュエリー - 身につけられる資産
「投資効率」という意味ではインゴットに劣るものの、ジュエリーとしての金も魅力的です。
指輪やネックレスは、日常的に身につけられる“楽しめる資産”。
さらに、ブランドやデザインによっては、単なる地金以上の付加価値がつくこともあります。
ティファニーやカルティエなどの名門ブランド品であれば、ファッションアイテムとしての価値が査定に反映されることも。
一方で、注意点は「加工費が上乗せされている」こと。
地金の価格だけでなく、デザイン料や職人の工賃、ブランド価格が含まれているため、純粋な投資効率はどうしても下がります。
つまり、ジュエリーは“資産+楽しみ”の両立を求める人に向いた持ち方と言えるでしょう。
仏具 - 金は信仰の形にもなる
日本の文化に目を向けると、金は「祈りの対象」としても使われてきました。
仏像やおりんといった仏具に金が用いられるのは、永遠性や清浄さの象徴だからです。
この持ち方の面白い点は、「宗教的・文化的価値」と「資産的価値」の両面を持つところ。
仏具として家に置けば日々の祈りに役立ちますし、いざという時には資産としても評価されます。
さらに豆知識ですが、仏具は相続や贈与の際に「非課税財産」とされる場合があります。
つまり、仏像やおりんは「文化的な財産」として扱われるため、課税の対象外になるケースがあるのです。ただし、詳細な取り扱いは状況によって異なりますので、判断は税理士など専門家にご相談を。
仏具は“祈りと資産の両立”という、非常にユニークな金の持ち方なのです。
記念金貨・コイン - 小口で希少性も楽しめる
オリンピックや皇室行事を記念して発行された金貨は人気が高く、コレクションとしての魅力もあります。
メリットは小口で分けやすい点。
例えば10万円金貨や1オンス金貨なら、必要に応じて少しずつ売却できるので、インゴットよりも流動性に優れています。
さらに、希少な発行年や限定デザインにはプレミアがつくこともあり、資産価値が地金価格以上になる可能性があります。
一方で、そのプレミアは相場によって変動するため、「安定性」よりも「楽しさ」に比重が置かれる傾向があります。
金貨・コインは“投資とコレクションの中間”として、多くの愛好家を惹きつけています。
金融商品としての金 - ETFと純金積立
近年は「実物を持たずに金に投資する」方法も一般的になっています。
金ETF(上場投資信託)
株式と同じように証券取引所で売買できる
売買コストが低く、現物を保管する手間が不要
少額から投資可能で流動性も高い
ただし「実物の金を持っているわけではない」ため、有事の際に“金塊が家にある安心感”は得られない
純金積立
毎月一定額をコツコツと積み立てる方式
金価格が高い時は少なく、安い時は多く買える「ドルコスト平均法」が働く
長期的に資産形成したい人に向いている
証券会社や貴金属商社によっては、最終的に金貨やインゴットに交換できるサービスもあり「金融商品から実物へ」と移行できるのも特徴
ただし手数料がやや高めに設定されていることもある
ETFや積立は「便利さ」と「少額からの投資」という点で優れており、実物とはまた違った安心感を与えてくれます。
税金と将来性を踏まえて考える
金の面白さは、「形によって評価や税制上の扱いが変わる」点にあります。
インゴット:地金相場で評価。売却益は譲渡所得の対象になる可能性あり
ジュエリー:ブランドやデザインで査定額が上下。加工費が入る分、投資効率は低め
仏具:場合によっては非課税財産とみなされるケースがある
金貨・コイン:額面評価になる場合もあり、相続時に独特の扱いを受けることも
ETF・純金積立:売却益には通常の金融商品と同じく課税される。現物資産としての「非課税メリット」はないが、流動性や積立の柔軟性は高い
もちろん、税制の扱いはケースバイケースであり、実際の判断には専門家の確認が不可欠です。
ただ、「同じ金でも形が違えば未来の扱いが変わる」という点は、資産として考える上でとてもユニークです。
まとめ - 目的に合わせて「形」を選ぼう
金は「持ち方」によって意味が変わります。
資産の保全重視 → インゴット、小口の金貨
楽しみや贈り物 → ジュエリー
祈りや文化との結びつき → 仏具
コレクションと資産の両立 → 記念金貨・コイン
手軽さ・少額投資・流動性 → 金ETF・純金積立
どれかひとつに偏るよりも、自分の目的やライフスタイルに合わせて複数の形で持つ方が安心です。
インゴットで堅実に備え、ジュエリーで楽しみ、金貨で分散し、ETFや積立で流動性を確保する――。
そう考えると、金は単なる「資産」ではなく、暮らしや信仰、金融と文化をつなぐ多面的な存在であることがわかります。
金の持ち方は、人それぞれの人生観を映す鏡でもあるのです。
株式会社Clarisse
本社:東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル6階
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設立:2024年9月
事業内容:貴金属をはじめブランド品やダイヤモンド・ジュエリーの買取・販売、全国でゴールドプラザ13店舗を運営






